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電車や公共施設で泣いたり騒いだり… どうする? 子連れで外出が楽しくなる心がけとアイデア

電車や公共施設で泣いたり騒いだり… どうする?

子連れで外出が楽しくなる心がけとアイデア

年末年始は帰省など、子どもと一緒に外出する機会が増えます。泣いたりぐずったりすることなく、スムーズに移動したいと親は願うもの。どんな準備をすればいい?泣いたりぐずったりしたら、どう対処する?子どもの発達に詳しい北野幸子先生に、子どもの気持ちに立った視点でお出かけのコツを伺いました。

北野幸子先生
神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授。研究テーマは、乳幼児 (0~8歳くらい) の遊び・生活・学びの内容や,乳幼児を教育する専門職の専門性について。共著に『子育て支援のすすめ』(ミネルヴァ書房)ほか著書多数。

 

子連れで出かけることは、迷惑ではない

子どもが騒ぐことに世間全体が敏感になっているように感じます。でも本来は、子どもは社会の真ん中にいるもの。「子連れで出かけると周りに迷惑をかけるので」と、外出を控える必要はありません。もし周囲に迷惑をかけるようなことがあれば、その時に適切に対処すればいいのです。
 
子どもが泣き出したり、ぐずりだしたりすると、親は焦って「一刻も早く静かにさせなきゃ」と思いがちですが、そんな時こそ冷静に。親が焦ったり困ったりすると、子どもは余計に不安になってしまいます。

子どもの発達に合わせた声かけをしよう

まずは、落ち着いて、子どもの状況を冷静に見ましょう。
 
0歳の赤ちゃんの場合は、暑い寒い、おなかがすいた、眠いなどの“不快”が主な原因でしょう。まずは、「暑いの?」「眠くなっちゃった?」などと赤ちゃんの気持ちに応答することが大切です。それから、手を握ったり、暑そうなら服を脱がしたりして調節しましょう。1~2歳のころは自己主張が強くなる時期。やりたいこととできることのギャップにパニックを起こすことがあります。親はそういう時期だと覚悟しておくこと。その上で「いやなんだ」「もう(バスから)降りたいんだね」と、まずは子どもの気持ちを代弁。それから「でも今日はがまんしよう」「あと少しで着くね」と言うと、子どもは「ママはわかってくれた」と安心し、落ち着きやすくなります。それでも騒ぐときは、いったんその場から離れて(電車やバスなら降りて)気持ちを切り替えましょう。
 
3歳以降は、ごっこ遊びが楽しい時期。「たくさんの人がいるね」「ここでは小さい声で話そうね」と他者への気づきの声掛けを。そして、「静かにできてえらいね。あと少し頑張ろうね」と「あなたを信頼しているよ」という肯定的なメッセージを伝えましょう。
 
「静かにしなさい!みんな見てるでしょ」という注意の仕方では子どもは理解できません。それよりも、「電車の中では静かにした方が、みんな居心地がいいよね」と子どもにわかりやすい言葉で伝えましょう。一度では変わらなくても、何度も繰り返し言葉で伝えることが大切です。 

 

事前の準備から「楽しいお出かけ」を演出

3歳ぐらいになると、事前準備から楽しめるようになります。「絵本は何を持っていく?」と相談したり、路線図を見ながら「この駅まで行くんだよ」など遠足の準備のように親子で楽しめるといいですね。計画を共有することで子どもも見通しが立ち、外出が楽しくなります。

子連れでお出かけ Q&A

 

Q子連れのお出かけに持っていくと便利なグッズやオモチャは?

 

Aどうしても荷物が多くなりがちなので、かさばらない小さめのオモチャや、音の出ない絵本があると便利です。ノートとペン、ハンカチ、紐、ペットボトル、ティッシュなどはオモチャの代わりになります。また、汗っかきの赤ちゃん連れの際は、ガーゼが便利。背中に入れておくと汗を吸収し、サッと取り換えれば不快感が減ります。幼児とのお出かけは、物がなくても遊べる「しりとり」や「車のナンバー探し」なども楽しいでしょう。

Q子どもが泣いたり騒いだりすると周りの目が気になり、つい強く怒ってしまいます。

 

A親自身が「誰のために叱っているか」を自覚しましょう。周りの目が気になり、一刻も早く「静かにさせる」ために怒ったり大声を出すのは、一時的には効果があるかもしれませんが、根本的な改善にはなりません。また同じように騒ぐでしょう。子どもは耳では学びません。「静かにしなさい!」と怒鳴るよりも、「小さい声で話そう」など具体的に伝えましょう。親自身が静かに過ごし、公共の場での振る舞いのモデルになることも大切。子どもは大好きな人を模倣します。

 

Q講座やセミナーなどに子どもを連れていくか迷います。

 

A子連れ可の場合は、「一緒に行くほうが楽しそう」と思うなら子連れで行けばいいでしょう。長時間座っているとか、移動が長いなど親子ともにストレスがかかる場合はあきらめて、一時預かりなどを利用してみるのも一案。どうしてもの場合は、音が出ないおもちゃや、お絵かきなどの持参を。親の都合を優先せず、「子どもにとって」を考えること。当日の天候や子どもの体調によって、無理をさせないことも大切です。

イラスト/犬塚円香 取材・文/さわらぎ寛子

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