2005/6/9
Q:言葉の学習のことで
◆投稿者:女性(男の子・10歳/男の子・5歳/女の子・1歳8カ月)
今回は、次男の言葉の学習の方法などで相談にのってください。
次男は来年就学なので、半年前から文字の練習をしてきました。なんとか書くことと読むことは「ちゃ」「じゃ」など以外スムーズに読んで書くことができるようになり、今度は「なにをしていますか」「○○《を》しています」を教え始めました。
この「を」を書く練習なんですが、もう1カ月もしているのに「わかんなーい」と毎日「なに?」と聞いてくるのです。私には質問の「なに」の次にくる「を」を書けばいいだけなので、いたって簡単だと思ってやらせてみたのですが、まだ早いのでしょうか?
でも次男は本も好きだし家での会話も多いので、自分の言いたいことやしたいことをきちんと説明できるような気がしていたので、やりたくないからなのか、本当にわからないのか悩んでいます。仮にやりたくないとしても、本人が「自分でやる」と決めてはじめた以上続けさせなければならないので、どう声がけをしていけばいいのかなぁ〜と(長男は自分で決めたことについて、泣きごとは言わなかったので)。
ちなみに机には本人から座りやり始めるのですが、問題につまずくと机に顔をうずめて、しばらく問題を解こうとせず、10問ぐらいの量に30分もかかっています。
みなさん、声がけや他、なんでもいいのでアドバイスや経験談を聞かせてください。
A:おとなが正しく話をすること
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◆鈴木みゆき(すずき みゆき)先生 |
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聖徳大学短期大学部保育科助教授。
保育者養成と共に、幼稚園・保育所で子どもと遊ぶ手遊び・リズム遊びの創作を手がける。
雑誌やテレビなどで、育児相談も担当。
「子どもの早起きをすすめる会」発起人。
『早起き・早寝・朝ごはん』(芽ばえ社刊)ほか著書多数。
3児の母。 |
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私は書くことよりも読むことのほうが大事だと思っています。本を読んで、内容を理解できるのは、すごいこと。言葉の学習は、たくさん話しかけること、絵本を読み聞かせることからまず始めてみましょう。
現代は言葉を簡略化している傾向があると思います。日常生活の中で、お母さんやお父さんも、「○○、取ってきて!」なんて、「を」の言葉を抜かして言っていませんか? 子どもは親同士のやり取りからも言葉を学んでいますから、まず、親自身が、きちんと話すことを心がけましょう。
絵本を読むときも、「を」を少し意識しましょう。たとえば「クマさんがハチミツを運びました」という文章があったら、「クマさんは、何を運んだんだっけ?」と問いかけてみます。「ハチミツ!」と子どもが答えたら、「そうだね。ハチミツ“を”運んだんだね」と、正しい文章にして言い直してあげるとよいと思います。
最近は、鉛筆をちゃんと持てない子どもも、見受けられます。お絵描きが大好きな子は、鉛筆を持って描くことができるので、文字も次第に書けるようになっていきます。このような子におすすめなのは、お母さんと1行絵日記をつけること。文章は「今日は○○へ行きました」という簡単なものでOK。お母さんが文を書き、子どもに絵を描いてもらいます(もちろん、逆でもかまいません)。子どもが描いた絵は下手でも、それを指摘しないこと。親子の体験を記録に残すことに、子どもが興味を持つことが大切です。このような積み重ねが、子どもが自分で表現したい気持ちを育みます。
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