2007/6/14

Q:特定のお友だちに執着する

◆投稿者:女性・30歳(子ども 女の子・2歳8カ月)

娘の突然の変化に戸惑い、皆さんのご意見を伺いたくよろしくお願いします。

娘とは、雨以外の日は毎日、徒歩で行ける唯一の公園へ出かけています。そこでは、歩き始めの子から幼稚園入園前の子まで、男女取り混ぜ数組の親子で遊んでおります。

時間帯が合いよく遊んでもらっている子たち、はじめて会う親子などその時々でメンバーは替わりますが、子どもたちはそれぞれ思い思いに遊んでいます。娘もまだお友だちとうまく遊ぶことができず、見知ったお友だちとつかず離れず遊具で遊んだり、おもちゃでお砂遊びをしたりしていました。

ところが、数日前に会った月齢の近いお友だち(A子ちゃん)に異常に興味を示し、その子が2度目に公園へ来て以来、この数日間テンションが異常に上がって、「A子ちゃ〜ん、待ってたんだよぉ〜」「A子ちゃ〜ん、遊ぼうよY」と声も高らかに駆け寄り、追いかけています。

A子ちゃんは娘より少し幼い感じの子で、最初は呆然と娘を見たり、気ままにあちこちに走って行ったりしました。すると娘は「A子ちゃ〜ん、待って〜どこ行くの〜」「A子ちゃ〜ん、これで遊ぼうよ」と追いかけ、その子が滑り台へ行くと「A子ちゃん、滑り台がしたいの? 私もすぐに行くよ、待ってね」と叫ぶなど、もう周りが見えないようなのです。また、すぐにA子ちゃんの手を取って繋いで歩いたり、A子ちゃんがコケるとすかさず抱きかかえて起こそうとしたりします。

目に余るほど追いかけたり、危なっかしいことをしそうになったら止めて、クールダウンするよう諭しますが、そんな時は人が変わったようになって私の声さえ届かないほどです。幸いA子ちゃんのママは、娘の行動を好意的に見てくれていますが、他のお友だちのママから見れば、ちょっと引くほどの勢いですし、特定のお友だちとしか遊べないのではこの先(幼稚園入園時)困るんではないかと思ってしまいます。

一時的なことなのか、女の子特有の遊び方なのか? 一人っ子のためにお友だちとの距離がつかめないのか? A子ちゃんが自由に遊べなくなっては申し訳なく、寝る前や公園へ行く前に「A子ちゃんと遊ぶのもいいけど、他のお友だちとも遊ぼうね」「他のお友だちとも一緒に遊ぶともっと楽しいよ」と言い聞かせていますが、娘は「A子ちゃんが好き、A子ちゃんとだけ遊ぶ」と聞きません。

今の状態が続くと、毎日遊びに行ける唯一の公園なのに行きづらくなります。皆さんはどのように対処されますか? 同じような体験をされた方はいますでしょうか?


A:子どもの関係に、遊びを挟むこと

◆内田 良子(うちだ りょうこ)先生
内田先生 子ども相談室「モモの部屋」主宰。NHKラジオの電話相談「子どもの心相談」アドバイザー。保健所の心理相談員としての活動や講演も。著書は『カウンセラー良子さんの子育てはなぞとき』『幼い子のくらしとこころQ&A』(ジャパンマシニスト社)ほか。2児の母。

とても気に入った友だちがいて、その子に集中してしまうというのはよくあること。その素直な気持ちを言葉にできるというのも、ステキなことですね。お母さんが、わが子は自分の一部という感覚を無意識に持っていると、周りの目が気になり、わが子の行動を恥ずかしいと思ってしまうかもしれません。でも、「子どもは別の人格」と考えると、子ども自身の行動を客観的に見ることができ、距離感がとれるのではないでしょうか。

でも気に入られている子が、ストレスになっているようなら、状況を変えてあげることも必要です。そうは言っても、「特定の子どもから離す」というのは難しいこと。言葉で説得しても、小さな子の場合、頭で理解するよりも、気持ちや感覚のほうがいっぱいになってしまいます。

そんな時には、大人がおもしろい遊びをしかけてあげて、わが子も、その子も、他の子も遊べるようにしてみてはいかがでしょう。3歳前後の子の場合、自分たちでそのように遊びをプロデュースしたり発展させたりするのはまだ難しいもの。大人が鬼ごっこやごっこあそびなど、複数で遊べる遊びを提案して、遊びのきっかけを作ってあげましょう。興味ある遊びに出会えば、特定の子もその遊びの構成メンバーの一人になってしまうと思います。

子ども同士の距離はその間に遊びを挟むことによって、関係性がグンと変わってくるもの。遊びの中で、お互いの距離感や関係性を上手にとれるようになっていくと思います。

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