2009/1/8

Q:下の子におもちゃを貸してあげられない

◆投稿者:女性・27歳(子ども=女3歳/女8カ月)

3歳の長女は、内気で思ったことを言えず、泣いてしまうタイプの子です。今まで、次女に対して嫉妬したりいじわるをすることはなかったのですが、ここ最近、次女の行動範囲が広がり、お姉ちゃんの使ってるおもちゃに手を伸ばすようになりました。

何もわからず、ただ興味本位で触りたいだけなのに、お姉ちゃんは「触らないで!」と叫び、最終的にはギャーギャー泣いてしまいます。「まだ赤ちゃんだから、ただ見たいだけだよ。触らせてあげてね」と、やんわり言うのですが、しぶしぶ貸してあげる様子を見ているとなんだかかわいそうになってしまいます。

友だちと遊んでいても、取りあいになるとたいてい取られるほう。なんだかお姉ちゃんばかり叱っていて、このままだと次女にいじわるしないか心配です。


A:遊びに集中できる時間の確保を

◆中野早苗(なかの さなえ) 先生
中野先生

桜美林大学非常勤講師。臨床心理士。神奈川県教育支援センター巡回相談員ほか、公立学校でスクールカウンセリングを行う。共著は『きょうだいの子育て』(主婦の友社)、訳著は『子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方』(きこ書房)ほか。3児の母。

下の子が上の子のおもちゃを使いたがったとき、「赤ちゃんだからわからないの、貸してあげて」というのは、いつまでも通らない説明です。上の子にしたら「いつから赤ちゃんじゃなくなるのか」ということになりますね。きょうだいのトラブルに対応する場合には、一貫した姿勢でいることが大切です。

「これはお姉ちゃんのだね」と、上の子のもの、下の子のものと、所有権を尊重して、貸したくないおもちゃでは、下の子の前で遊ばないことを上の子に伝えましょう。目の前で楽しく遊んでいて、「手を出してはダメ」というのは見せびらかし。それでは下の子がかわいそうです。下の子には、貸してほしいときはきちんとルールに則ることを伝えましょう。下の子が小さくてお話できない場合には、「貸してね」カードを作って、「貸してほしいときは、このカードを渡そうね」とお母さんが介入してあげましょう。貸してあげるというのは精神的に成熟した行動です。すぐに上手にできなくても、下の子も上の子も、そんな行動を繰り返していくうちに、貸し借りを身につけていけるでしょう。

上の子の気持ちをくんであげることも大切です。お友だちと遊んでいるときに、おもちゃを取られて我慢することが多いなら、家でじっくり遊ぶことで気持ちを発散しているのかもしれません。上の子が集中して遊んでいるときは、お母さんは下の子をおんぶするなどし、1日1回でも安心して遊べる時間を確保してあげてはいかがでしょうか。

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