「ねえ、やさしくして」 僕の左手が、肩に掛かると、必ずこう言う。 「いつも優しくしているじゃないか」、と心の中で思いながら、 右手を胸の方へ持っていく。 じっと硬直したように身体を固くして、僕の手の動きを目で追う。
何時になったら、自分で身体を洗えるようになるのか。 5歳の長男と風呂に入っての、いつもの科白と、いつもの思いである。
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