AB型乙女座・名古屋産の男の不幸
ラジオの収録を終えて、スタッフみんなで飲みに出かけた。
美味しい肴と、ビールでメートルが上がっていく。
とりとめのない話題から、いつしか、血液型の話題になった。
女性2人は、いずれもO型。
そして、僕はB型、もう一人の代理店の担当者がAB型。
さらに、星座まで追求されたあげくに、
「私、B型水瓶座の男が、家の前でナイフもって立ってたことがあるの。
B型水瓶座の男って、こうでしょう」
と、競馬のブリンカー(要は正面しか見えないようにするヤツ)の様に、
両の掌を、顔の横に付けて、女性の一人が僕の方にその手を伸ばす。
「思いこんだら、他のものが目に入らなくなるし、そうかと思うと、
いつの間にか、熱が冷めて、今までのは何だったの?ってことがよくあるでしょう ?」
「まったく、B型の男ってそうよねー」 と、二人の攻撃?が続く。
「でも、B型の男性と、O型の女性は、相性が良いのよ」と一応フォローが入る。
しかし、AB型の彼は不幸であった。
AB型は、融通が利かない、とか、理屈っぽいとか、
血液型のことで攻められたあげくに、名古屋出身ということで、話題はそちらに。
信長、秀吉、家康を排出していながら、「のぞみ」も通過しようとした、
日本で3番目の大都市。
喫茶店が多くて、何でも味噌味で食べて、「みゃーみゃー」言って………
普通の女性には、およそ馴染みがない、まず訪れることもない都市なのに、
何故か、名古屋がどんなに変わった文化圏で、
(よその土地の人間にとっては)おもしろい物や、コトが多いかは、知識として有 る。
彼1人が、その場では名古屋を代表して、名古屋を擁護し続けた。
代理店の営業マンとして、酒の場を盛り上げようと、自らそういう役をかって出たのか、
それとも、単にそんな星の元に生まれたのか………どうも、後者のようである。
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