2002/3/21
自立するということ
木々に緑が戻り、色鮮やかな花が咲き始める春。
日本は学校も会社も4月に年度が変わりますが、アメリカの新学年は長い夏休み後の9月に始まります。
今回は昨年6月に高校を卒業して、すでに新しい道を歩き始めた同じ年の姪二人の話です。 キャサリーンは三人姉妹の末っ子。実家から大学に通っていますが、4年間の学費を全部自分で用意することで、自立を宣言しました。授業の合間にはファストフード店で働き、夏場は山火事専門の消防士として働いています。彼女は「友達の中には、親が授業料出してうるさいから、この科目は落とせない、なんていってる人もいるけど、私は落とす、落とせないじゃない。絶対全部A(優)を取るの」と言い、それを実行しています。自分で稼いだお金の価値を知る、彼女の強い信念です。
もうひとりの姪、モリーはナショナルガード(州兵)の奨学金システムを利用して、進学することにしました。6年間、州兵として決められた任務に就き、有事の時には正規の軍兵として出動することで、大学の授業料を補助してもらうのです。彼女は高校卒業後すぐに、軍の基本訓練に入りました。大学には1年遅れて入学することになりますが、大学に行くことや仕事に就くことに年齢を気にすることのないアメリカでは、彼女も周囲も気になりません。
アメリカでもお小遣いまで全費用を親掛かりで進学する人、この二人のように自分で道を作っていく人など様々です。彼女たちの親に負担を掛けたくないという気持ちと自分の将来を自分で作っていく姿勢、そして親はその彼女たちの意志を尊重していることに、私はとても感心しています。
それに引き換えると18歳の時の私は、恥ずかしい限りです。家を出たいばかりで、学費も生活費も親に頼りっぱなしの甘えん坊でした。必死で勉強したとは言いがたい学生生活。ウン十年経った今でも、試験前に慌てる自分を夢の中で見かけます。
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