2002/10/17

元気なお年寄り

ひとり暮らしの隣のおばあちゃん、80歳のローダさんが引越していきました。
デートしてるのよ、今度紹介するわね。とちょっと顔を赤らめて話してくれた、そのボーイフレンドとデート中に軽い脳梗塞で倒れ、そのまま彼の家に同居することになったのです。
病床後、引越してしまう直前ローダさんに会ったときは、思ったよりもしっかりした足取りで、その彼女をそっと支えるボーイフレンドとの様子に、わたしの心の中はとても温かくなりました。

一般的にアメリカの高齢者はとても行動的な印象を受けます。
女性はきれいにお化粧して、鮮やかな色の口紅を差し、赤やピンクの洋服も着こなします。
それに運転。大都会でしか公共のバスや電車はなく、どこに行くにも自分で運転しなければいけないので、これは仕方ないとも言えます。主人の実家のある田舎の町ですが、時速40マイルの道路を20マイルで、しかも2車線をまた越してゆうゆうと運転していたのは、近所の90歳のおじいちゃんだった、ことがあります。この方もひとり暮らし。
またあちらこちらで見かけるボランティアにも、高齢者が大活躍しています。町を走る観光トローリー(ディーゼルの汽車)では、おそらく最初の仕事を立派に勤め上げたであろう方たちが、マイクを片手に観光案内をしてくれます。美術館や図書館でも颯爽と働いています。
アメリカには定年退職がないので、自分の体力や老後の蓄えを考えて退職をしますが、退職後も家でじっとしておくことはまずなさそうです。

ナーシングホーム(看護型老人ホーム)や一般の老人ホーム施設に入居する方もいますが、わたしの知る高齢の方たちは、できる限り自分で生活する強い意志と、行動力があります。日本と同じく年金を支える次世代、次々世代の負担は大きくなる一方だという問題は別にして、そういった高齢者を見つめる社会の目は日本よりも温かいように思います。
人は必ず老いるもの。自分もいずれは人の助けが必要なときがくることを心に刻んでいると、素直に優しい気持ちで高齢者に接することができるのではないでしょうか。

ローダさんの幸せを心から祈りつつ。


アメリカからのこそだて奮闘記


日本で大手企業の広報課長を務めているときに、アメリカ人の英会話教室の先生と結婚、渡米。日米の文化の違いに悩まされながら、子育てに奮闘中。

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