高校生の妊婦
話題の「こうのとりのゆりかご」。
赤ちゃんにとってはとても居心地の良さそうな響きですよね。
わたしの住む州の法律では、教育委員会はすべての子供(高校生まで)に平等な教育の機会を与えることになっています。増え続けるティーンエイジャーの妊娠・育児をサポートするため、州内の高校66校で保育施設を作ったところ、そのうちの3分の2は高校生が利用しているのだそうです。政府や市から教育委員会に交付されるグラント(補助金)は、妊娠している生徒には一般生徒の2倍が出るのだとか。
このような世の中の流れに合わせ、地元の高校でも生徒対象の育児教室を始めました。昨年の2人からぐっと増え、今年の春には10人を超す生徒が参加しているそうです。高校では育児教室を始めに、授業のスケジュールを取り易くアレンジしたり、細かいところではお腹が大きくなった生徒のために、特別な椅子と机を用意したりしています。このプログラムを知って他州から引っ越してきた18歳の高校生カップルもいるそうです。
10代の妊娠はあり得るでしょうし、それを否定するつもりはありません。政府や教育委員会のサポートも素晴らしいことだと思います。
ただ、新聞で紹介された「赤ちゃんが欲しかった」と言う臨月の17歳の高校生の発言にはどうしても納得がいかないのです。出産後は、物理的にも金銭的にも誰か(親、政府)の援助なしには生活は不可能です。実際、出産前後は、WIC(女性と子供を物質面で補助するプログラム)出産後には、政府から生活保護とフードスタンプ(食品と交換できるクーポン)が自動的に配給されます。精神的にも自立しているとはとても言い難い発言です。子供のためにもしっかりして欲しい。そう、思いました。
わたし自身、子供を産み、育てるとわかった時は、喜びと同時に大変な覚悟をしたと覚えています。
子供は、何も知らずにこの世の中にやってくるのですから。
どの子供も幸せになるために生まれて来るのですから。