日々のニュースや話題の中で、子育てに関連するキーワードや子育て中の家族に関心が高そうなワード、知っていただきたい事柄などを編集部がピックアップ。できるだけ分かり易く、簡単な解説と共にご紹介いたします。 2006/12/25 子育てマンション
「子育てマンション」という言葉を、最近よく耳にするようになりました。
これには行政による育児しやすい生活環境の整備が関連しています。
平成15年3月に発表された「次世代育成支援に関する当面の取組方針」のうち、「子育てしているすべての家庭のために」の第3項では「子育てを支援する生活環境の整備」においては、「良質なファミリー向け住宅の供給促進・公共賃貸住宅等における多子世帯等の優先入居」と歌われており、併せて各地方自治体での取り組みが紹介されています。
→少子化対策推進関係閣僚会議
例えば、東京都墨田区は全国に先駆けて平成14年から「子育て支援マンション認定制度」を実施しています。
事業者の申請を受けて区が現場検査を実施し、クリアしていれば区長が「すみだ子育てマンション認定証」を交付するという方式です。
認定を受けた上で申請する事が条件ですが、子どもが遊べるキッズルームを設置すれば100万円、キッズルームに床暖房付きだと150万円、外に遊び場をつくれば50万円というように補助金も受けられるとあって、事業者、子育て世帯のどちらからも高い関心を持たれています。
※【墨田区「子育て支援マンション認定制度」主な認定基準】
必ず適合しなければならない物、一定数以上適合しなければならない物など細かく規定され、随時更新されています。詳細は、墨田区にお問い合わせください。
(1)新規分譲で6戸以上の耐火構造
(2)占有面積55平方メートル以上で寝室が2以上の住戸が3分の2以上
(3)2階建て以上の場合は9人乗り以上で防犯に配慮したエレベーター設置
(4)全住戸で収納スペースが8%以上
(5)段差解消によるバリアフリー化
(6)滑りにくい浴室床材等転倒時の危険防止
(7)コンセント位置の配慮等有効な感電防止
(8)浴室扉の外鍵設置等水溺防止
(9)低アルデヒド建材の使用
(10)階段の75cm以下に手すり設置
(11)ベビーカー、三輪車等の置き場確保
(12)オートロック等不審者の進入防止
(13)足がかりない壁等転落の防止
(14)20平方メートル以上のキッズルーム設置
(15)40平方メートル以上の遊び場、手洗い場、遊具置き場
(16)送迎サービス、一時預かり等の子育て支援サービス
(17)保育施設、医療施設との連携
(18)子育て・医療相談の実施
(19)保育サークル活動への支援
(20)ベビー用品リユースシステムの実施
墨田区では平成15年に「ライオンズシティ本所吾妻橋(株式会社大京)」を第一号認定したのを皮切りに、現在まで8件の認定を行っています。
こうした動きが全国各地で広がる中、最近では企画段階から子育て世帯側の意見を取り入れた形で「子育てマンション」の建設を進める事業者が増えてきています。
キッズルーム・児童公園の設置などはそこに住む世帯だけでなく、近隣世帯の遊び場に対する期待にも応える形となり、またバリアフリーの実現など、ユニバーサルデザインを根底に置いた設計は、そのまま高齢化対策にもつながります。
このことが結果として地方自治体への住民の流入を促進する動きとなるため、墨田区の例にならい「子育てマンション」を支援する地方自治体が増加しつつあります。また国土交通省も来年度の重点施策として、住宅金融公庫(平成19年4月より、独立行政法人住宅金融支援機構)での子育て支援金利を設定するという方針を打ち出すなど、子育て世帯を意識したサービスが次々と誕生しています。
既に、民間の金融機関でも、「子育て支援金利」や「子育て支援 金利優遇制度」を設けているところも多くあります。
お住まいの地域ではどのような支援サービスがあるのか、一度調べてみてはどうでしょうか。
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