
日々のニュースや話題の中で、子育てに関連するキーワードや子育て中の家族に関心が高そうなワード、知っていただきたい事柄などを編集部がピックアップ。できるだけ分かり易く、簡単な解説と共にご紹介いたします。 2007/5/11 「親学」提言断念
マスコミやブログを賑わせた「親学」の提言が見送られました。そもそも、親学を提言しようとした背景は?どんな内容だったの?を整理してみました。
安倍政権において、「21世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を図っていくため、教育の基本にさかのぼった改革を推進する必要がある」として設置された教育再生会議。平成19年1月24日には「社会総がかりで教育再生を〜公教育再生への第一歩〜」として第一次報告がまとめられました。
第一次報告を受けて、2月22日の第5回 第2分科会(規範意識・家族・地域教育再生分科会)では、検討課題の中で「家庭教育と乳幼児教育の充実」として以下をあげています。
・ 家庭における生活習慣の改善
・ 育児について学ぶ「親学」や親を支援する諸制度の充実などの方策
・ 就学前教育の在り方
・ 情動と発達(脳科学等)
その後の4月17日の第9回分科会において「親学」についての具体的な討論が行われています。
そして、直後にまとめられた「『子育てを思う』保護者そして皆さんへ」と題する提言案が、マスコミを賑わせました。
「親学」提言のポイントは以下のような物でした。
- 子守歌を聞かせ、母乳で育児
- 授乳中はテレビをつけない。5歳から子どもにテレビ、ビデオを長時間見せない
- 早寝早起き朝ごはんの励行
- PTAに父親も参加。子どもと対話し教科書にも目を通す
- インターネットや携帯電話で有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」の実施
- 企業は授乳休憩で母親を守る
- 親子でテレビではなく演劇などの芸術を鑑賞
- 乳幼児健診などに合わせて自治体が「親学」講座を実施
- 遊び場確保に道路を一時開放
- 幼児段階であいさつなど基本の徳目、思春期前までに社会性を持つ徳目を習得させる
- 思春期からは自尊心が低下しないよう努める
(4月26日 毎日新聞ニュース より転載)
そして、予定では正式な提言書として5月に公表の準備を進めていたようです。
しかし、5月10日、提言の公表を断念するとしました。
この「親学」についても、各方面から様々な意見や評価があったようです。
「親学」の提言は見送られましたが、この分科会に提出される資料には興味深いデータが多くあります。例えば、「親学」の議論の背景として示された「子どもの発達と脳科学」に関する物や、しつけに関する意識調査、各自治体での育児支援の取り組み例など目を通すだけでも参考になります。
→第9回資料6
いずれにしても、これからの子育てに深く関わってくる「教育」のあり方について議論している教育再生会議です。無感心では済まされませんね。
提案や意見も受け付けるホットラインもあります。
→教育再生ホットライン
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