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2008/7/29 フードマイレージ
原油価格・食料品の高騰が世界的な問題となるなかクローズアップされているのがフードマイレージ。食料品(food)の重さ×距離(mileage)で現されます。
重い物を遠くへ運べば、それだけ多くの燃料を消費します。いくら安い食料品でも、長距離を移動すれば燃料を多く使い、二酸化炭素も多く排出することになります。そこで、産地から近いところで消費するのが地球環境には優しい=地産地消をすすめる考え方です。
例えば、日本では小麦はほとんど輸入に頼っています。それよりも、国内で採れるお米をたくさん食べた方が地球のためには優しい、ということになります。
農林水産政策研究所の「食料の総輸入量・距離(フード・マイレージ)とその環境に及ぼす負荷に関する考察」(農林水産研究 2003年 第5号−中田哲也研究員)には、2001年の貿易統計を基に詳細なデータが示されています。
これによると、日本の輸入食料品のフードマイレージは、約9000億トン・km。国内の食料品輸送のフードマイレージは約570億トン・kmで、約16倍に当たります。この年のアメリカのフードマイレージは約3000億トン・km、お隣の韓国も同じく約3000億トン・km。イギリスは約1900億トン・km、フランスは約1000億トン・kmと計算されています。日本がいかに突出しているかがわかります。
人口一人当たりで見ても、日本は7,100トン・km、人口が約2倍のアメリカでは約1,000トン・kmとなり、更に差が開きます。
これは、日本の食料輸入量が多いばかりでなく、相手国が遠く離れているためです。輸入食料品の多くの割合を占める小麦や穀物は、アメリカ大陸やオーストラリアなどからの輸入が大部分です。
日本は環境技術では世界に冠たるものがあるのでしょうが、食料品の大部分を輸入に頼っている現状では、違う形で環境に負荷を与えていることになります。
食の安全という視点だけでなく、地球環境のためにフードマイレージという視点で見ても、国産、地元の食品を選んで食べることがこれから求められそうです。
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