日々のニュースや話題の中で、子育てに関連するキーワードや子育て中の家族に関心が高そうなワード、知っていただきたい事柄などを編集部がピックアップ。できるだけ分かり易く、簡単な解説と共にご紹介いたします。 2008/11/13 周産期母子医療センター周産期とは出産前後のことで、周産期母子医療センターは施設のレベルで総合周産期母子医療センター(三次医療)、地域周産期母子医療センター(二次医療)とに分けられています。地域のかかりつけ医が一次医療にあたり、最後の砦といわれるのが総合周産期母子医療センターとなります。妊婦健診はするけれど分娩に対応しない産科も増えて、出産に対応できる病院がなく、出産時には遠く離れた病院へ行かなければならない地域もあります。 根底にあるのは産科・小児科の医師不足です。これは今に始まったことではなく、既に厚生労働省もずいぶん前から問題として把握して、平成17年には3年間にわたる調査研究の末、「小児科産科若手医師の確保・育成に関する研究」を公表しています。 この研究でも、産科については周産期医療についての提言が多くなされています。しかし、この提言にもかかわらず十分な対応は図られず、今年に入ってからも立て続けに妊婦のたらい回しが発生、最後の砦である総合周産期母子医療センターでさえも受け入れられないという状況でした。 このような中、日本産科婦人科学会が「産婦人科勤務医・在院時間調査 第2回中間集計結果 報告と解説(修正版)」を10月30日に発表しました。ここには、産婦人科医の過酷な労働状況が数値で示されています。そして翌日の31日には、厚生労働大臣宛に「周産期救急医療体制特に母胎救急体制の整備に関する緊急提言」を提出しています。 安心して子供が産める世の中を目指して、厚生労働省だけでなく、少子化・男女共同参画特命担当大臣もこの現実に目を向けて協議して欲しいものです。 |