秋の子どものスキンケア

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秋分の日を過ぎたころから、次第に朝晩の冷え込みや日暮れの時間の変化に「秋」の季節を感じます。小児医療では、夏に流行る病気も多少残りながら、冬に流行る病気もちらほらと出始めます。また、一気に「アレルギー薬」の使用量が増えてくる季節でもあります。今回は、その「秋」に特化した子どものスキンケアの話について「こそだて目線」で触れたいと思います。

◆「夏のおわり」と「冬のはじまり」
・夏に注意すべき子どもの肌トラブルは「あおい虫、飛ぶ」と覚えておきましょう。

:あせも…子どもの汗の量は大人に負けないほど。しっかり拭きとってあげることが大切。
:おむつかぶれ…暑い夏は、オムツの中が「ムレムレ」です。こまめにおむつ替えしましょう。
い(ひ):ひやけ…紫外線が多い夏こそ、正しい知識とケアが必要です。
:虫さされ…子どもと大人では虫さされの反応が異なります。子どもは遅延型がほとんどです。
飛ぶ:とびひ…「あおい虫」の状態で細菌に感染すると「とびひ」になります。これが最も危険。

・冬に注意すべき子どもの肌トラブルは「かかしや薬」と覚えておきましょう。

:風邪による湿疹…冬は風邪の季節。原因の菌やウイルスによって湿疹が出ることも。
:乾燥…冬は湿度が下がり、大人も子どもも肌が乾燥しカサカサになります。
:しもやけ…低温で血行が悪くなり痒みやむくみが出ます。ケアの基本は血行促進。
:やけど…冬はヒーターや温かい飲み物など、生活の中で危険なものが増えてしまいます。
:薬疹…冬は体調を崩して薬を飲むことが多いので、連動して薬疹も多く見られます。

つまり「秋」とは、この「夏」と「冬」の両方の肌トラブルが混在する季節なのです。

◆秋のスキンケア=夏+冬のスキンケア
子どものスキンケアの基本は、3つの「お」です。

とす:しっかりと肌に着いた汚れを、洗って落とすことが大切です。
す:洗った皮膚をゴシゴシ拭くのではなく、優しく押し拭きしてあげましょう。
ぎなう:洗って失った皮脂を、保湿剤でしっかりと補う事が大切です。

夏は特に大切なのが「おとす」というケア。暑い夏はどうしても汗や汚れが皮膚に付着しやすい季節です。オムツの中も蒸れやすい。しっかり汚れを落とすことが優先順位の第1位です。

逆に、冬は乾燥する季節なので「おぎなう」ケアが大切です。きれいに汚れを落としても、そのままにしておくと、子どものお肌は乾燥しカサカサになってしまいます。保湿剤などでこまめにケアするのがポイントです。

そして、秋は夏と冬の間の季節。だからこそ、この3つの「お」をしっかり守り、徹底することが大切な季節になるのです。

◆秋の保湿剤は何を使う?
保湿剤のタイプも色々です。軟膏、クリーム、ローション、オイルなどありますが、基本的にどれを使っても問題はないでしょう。残暑が厳しい時はベタベタする軟膏よりサラッとするローションタイプが気持ちイイかも知れないし、冷え込みが早い場合には、逆に軟膏を使うなど臨機応変に対応してください。もちろん、ママ・パパやお子さんの好みも選ぶ基準のひとつです。

いかがだったでしょうか?秋のスキンケアは意外と大切です。その年によって、早く寒くなったり、いつまでも残暑が続いたりと、小さい子どものいるご家庭では健康に気を使う季節です。だからと言って、神経質になりすぎないようにしましょう。スキンケア自体を赤ちゃんの体に触れる「コミュニケーション」の一つと思いながら、3つの「お」を実践してほしいと願っています。

パパ薬剤師 中村守男(メディカルパパ)