親子で楽しむ想像の世界
子どもは、開くと想像を超えた世界が広がる“しかけ絵本”が大好き。そこで今回は、ペーパークラフト作家の柴田泰さんに親子でも簡単に作れるオリジナル・ポップアップカードの作り方を教えていただきました。
柴田泰さん
ペーパークラフト作家。メディアに作品を提供するかたわら、児童館や文化センターでレクチャーも行う。ペーパークラフトにとどまらず、工作や科学実験など幅広いジャンルで活躍中。著書は『のりものこうさく(かんたん!あそべる!おもちゃこうさく)』(小峰書店)、『しかけのあるカードとえほんを作ろう!』(文化出版局)ほか。
日頃から「自宅で工作をしている」というご家庭は少ないかもしれませんね。児童館やセミナーなどでポップアップカードなどの工作を教えている柴田さんは「子どもはできあがりには大きな驚きやよろこびをみせてくれるけれど、作るとなると、案外、大人の方がはまってしまうものなんですよ」とおしゃいます。
子どもに押しつけるのではなく、大人自らが夢中になって作っていると、「なんだかおもしろそうだな」と、子どもも興味を持って作りたがるのかもしれませんね。
今回は、作ったものをそのまま贈れるポップアップカードと、簡単な仕組みで口がパクパク動く動物カードを教えていただきました。動物カードは、何枚か作って絵本のように使うこともできます。まずは「どんなカードにしよう?」のイメージをふくらませましょう。
「手がぼ~んっと出てきて、バイバイって振っているような絵を描くの。“また遊ぼうね”ってカードにするわ」「口がパクパク動く……。ペンギンがいい。手足も動いて、口の中には魚がいて食べてるの!」
参加してくれたお友だちからは、次から次へとアイディアがとび出し、その発想力に大人の方が驚かされます。
もしも子どもが「何を作るか」考え込んで、なかなかアイディアが浮かばないようであれば、大人はそっと「何して遊ぶのが好き? サッカー? じゃぁ、サッカーボールにしてみる?」など、そっとフォローしてあげましょう。
工作は、集中力も使いますし、根気も必要。それだけに、難しいこと、嫌なこと、と子どもが感じないように、楽しい!という雰囲気作りが大切。途中で失敗しても、親の満足できる仕上がりではなかったとしても、「うまい、うまい!」「上手にできたね」とほめてあげましょう。
「どんな作品にも、子どもの思いがつまっています。それを否定されたら、工作が嫌いになってしまって当然。まずはほめてあげましょう。作り方のアドバイスは、子どもの気持ちが前向きになっているときに」と柴田さん。芸術には、基本はあっても答えはありません。のびのびと子どもに自由にやらせてあげましょう。
どんなカードにするか考えよう!
バースデーカードや季節のお便り、大好きな人へのプレゼントにしても。
とび出す部分を作ります。
カードをたたんでいるときに、カードの大きさからはみ出さない大きさで作るのがポイント。
撮影/長尾浩之 取材・文/山田治奈