成長過程の子どもの足に
幼少期の子どもの足は、まだまだ成長段階です。だからこそ、足にあった靴を選んであげることがとても大切。子どもの足と靴の関係に詳しい内田俊彦さんにお話を伺いました。
内田俊彦さん
医師・理学療法士等の医療従事者と靴業界で結成された足と靴の専門家集団NPOオーソティックスソサエティー理事長。日本靴医学会評議員、日本足の外科学会幹事などを務めながら、子どもの足の発育と健康管理などについて研究、学会・講習会などの活動している。
子どもの足は、幼少期はまだまだ成長段階で、骨が全部そろって完成するのが10歳ごろ、18歳ごろまでは成長を続けます。すこやかな足の成長には、足にあった靴選び、そして正しい靴の履き方が非常に重要。靴があっていないと、指が地面につかない「浮き指」になったり、小指が内側に曲がる「内反小趾」になることもあるのです。
お母さんの中には、子どもの足はすぐに大きくなるからと、大きめの靴を履かせている人もいるようです。でも、実際は伸びると言っても半年で5㎜程度。指先に5㎜の余裕があれば十分です。
それ以上大きいと足が靴の中で滑って指先に負担がかかり、指が曲がる原因にもなります。転びやすかったり、かけっこが遅いのも、大きすぎる靴が原因の可能性もあります。
靴のサイズは、例えば同じ13㎝と表記されていてもメーカーによって大きさが異なります。大人は実際に履いてみればその感覚で選べますが、子どもは履き心地を大人に伝えられません。中敷きをはずせる靴なら、実際に足裏にあててみて、大きさを目で確かめられるので安心です。
正しい靴の履き方をマスターすることも、靴選びと同じぐらい大切なことです。よく見かける“つま先でトントンと履く”のは、実はNG。かかとが合うようにして、つま先にゆとりができる履き方が指に負担のかからない履き方です。正しく靴が履けるようになると、子どもも走るときに心地よさが分かるはずです。「ちゃんと靴を履くと、かけっこが楽しくなるよ」と、子どもの気持ちに訴えながら、子ども自身にも正しい靴の履き方をマスターさせましょう。
両手で靴をしっかり持ち、足を入れます(決してかかとを踏んではいけません)
かかとがぴったりくるように、かかとをとんとんと軽く地面に打ち付けます。
つま先をあげたまま、面テープやヒモをしっかり締めます。
※靴のサイズは、少なくとも半年に1回は確認してあげましょう。
イラスト/サカモトアキコ 取材・文/山田治奈