保管方法は?飲ませ方は?
お医者さんからもらった薬の保管方法や飲ませ方、常備した方がいい薬など、ちょっとしたことで迷うことも少なくないもの。パパ薬剤師としてママやパパ達の相談に乗っている薬剤師の中村守男さんに教えて頂きました。
中村守男さん
子ども・子育て専門の薬剤師。NPO法人こどもとくすり代表理事。小児科で働く現役の「パパ薬剤師」として講演やコラム執筆、イベント企画など行っている。2010 年8月「こどもおくすり手帳|けんこうキッズ」を発表。2児のパパ。
NPO法人こどもとくすり http://kodomo-kusuri.org/
薬が嫌い。飲ませる方法は?
こんな方法でやってみましょう。
「味」や「見た目」を変える/基本的に何を混ぜても大丈夫ですが、薬によってはヨーグルトなどと混ぜると苦みが出ることがあるので、その都度薬局で確認を。粉ミルクに混ぜて飲むのを嫌がると困るので、粉ミルクには混ぜないこと。
時間帯を変える/「1日3回食後」と指示が出ている薬でもこだわる必要がない薬がほとんど。食後はお腹いっぱいで薬を嫌がることも少なくありません。食事や授乳の前に飲ませるなど、子どもの生活リズムに合わせて臨機応変に。薬によっては処方通りに飲まないといけない場合もあるので、その都度医師や薬局に確認を。
子どもに選択肢を与える/「立って飲む?座って飲む?」「この絵本を読んでから飲む?
読む前に飲む?」など、子どもに選択肢を与えて「薬を飲む」という行為をゴールに。
ごほうびを用意/例えば、「薬を飲んだら、○○して遊ぼうね」など。
きちんと説明をする/なぜ薬を飲む必要があるのか説明して、子どもに理解させよう。
薬を飲ませた後、すぐに吐いちゃった。もう一度飲ませるべき?
吐いた直後は、体が受け付けにくく、すぐに飲ませると同じように吐く可能性が高くなるので、落ち着くまで様子を見ましょう。薬を飲んで30分以内にすべて吐いてしまった場合は、基本的に再度飲んでも良いでしょう。吐く量が少ないなど迷う場合は、医師や薬局に相談を。
処方された薬は、最後まで飲みきるべき?
お医者さんから「途中で飲むのをやめてもいい」と言われなかったら、処方された薬は飲み切りましょう。特に、溶連菌やインフルエンザなど原因の細菌やウイルスに効く薬は、途中で止める事で症状が再発したり、治るまで時間が長くかかることがあります。
処方された薬の保管方法は?
小児科から処方されたお薬は、基本的には室温保存(0~30℃)で構いません。ただし、「熱さましの坐薬」など冷蔵庫で保存する物や、逆に冷蔵庫で保存してはいけない薬もありますので、その都度薬局などで確認しましょう。
●子どもの薬保管ルール 以下を目安として覚えておきましょう。
粉薬/室温(0~30℃)で湿気が少なく、直射日光の当たらない場所に保管。
シロップ/特に指示が無ければ冷蔵庫で保管。成分が沈んでいたら振ってから飲ませる。
坐薬/熱さましの坐薬は冷蔵庫保存。吐き気止めなど室温保存(0~30℃)のものも。
軟膏/室温(0~30℃)で保存。温度が高いとドロドロになる薬は冷蔵庫保存。
お兄ちゃんが風邪の時にもらった薬、下の子に飲ませてもいいの?
子どもの薬は基本的に体重でその量が決まります。同じ症状でない可能性もありますし、きょうだいで薬の量が大きく変わる事もあるので、絶対にNGです。それぞれの子どもの症状にあった薬を小児科で処方してもらいましょう。
「#8000」を覚えておこう!
小さな子どものママやパパが、休日・夜間の急な子どもの病気にどう対処したらよいのか、病院の診療を受けたほうがいいのかなど判断に迷った時に、小児科医師・看護師へ電話相談ができます。全国同一の短縮番号【#8000】をプッシュすると、近隣の都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師からお子さんの症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院等のアドバイスを受けられます。
イラスト/サカモトアキコ 取材・文/高祖常子