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インフルエンザ対策を考えよう!

赤ちゃんのいる家庭は家族が予防を

インフルエンザ対策を考えよう!

毎年、秋口になると、話題にのぼり始めるインフルエンザ。
「予防接種は受けさせるべき?」と、心配なことも多いですね。
小児科医の杉原桂先生に教えていただきました。

杉原桂先生
ユアクリニック秋葉原(東京都千代田区)院長。未熟児新生児科で子ども専門医療に従事、小児アレルギー専門の病院で最先端の気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの治療にも関わっている。

38度以上の急な発熱と全身症状が現れるのが特徴 

インフルエンザは、感染力の強いインフルエンザウイルスが原因で発症する病気。くしゃみや咳などの飛沫によって、短期間で多くの人に感染が広がります。
 
ウイルスに接触してから比較的、短時間で発症し、急に38度以上の高熱や、全身のだるさ、筋肉痛、関節痛、頭痛などの症状が現れるのが特徴。一般の風邪と同様に、咳、くしゃみ、喉の痛みなどの症状も見られます。
 
医療機関の“インフルエンザ迅速診断キット”で感染の有無がわかりますが、発症から12時間以内はウイルスの検出率が低く、発熱してすぐに受診しても、正確に診断できません。周囲にインフルエンザに感染した人がいて、接触があったかどうかが判断のポイント。思い当たることがなければ、慌てず経過を見守る姿勢も大切です。

ウイルスの接触を避け、家族が徹底した予防対策を

体温計の数字だけで判断せず、子どもの顔色や食欲、ぐずる、機嫌が悪いなど、普段との違いをキャッチしましょう。「何かおかしい」という“母親ならではの勘”は、当たっていることも多いもの。育児書やインターネットの情報ではなく、赤ちゃんを前にした自身の直感を優先することも大切です。
 
免疫力の弱い乳幼児は、インフルエンザに感染すると、大人よりも全身に辛い症状が出やすく、脳症などの合併症を起こして重症化することがあります。嘔吐、下痢などが出たり、気管支炎や肺炎の併発も少なくありません。かかってからの対処ではなく、感染を防ぐことがとても重要です。
 
一番の予防はウイルスに接触しないこと。1歳未満の赤ちゃんの家庭では、親や他の兄弟姉妹が感染しないことです。流行中は人混みに出ないようにしたり、ウイルスを家に持ち込まないよう、帰宅時のうがいや手洗いを徹底するなど、家族みんなで予防を心がけて。十分な休養とバランスのとれた食事で、日頃から免疫力を高めて、病気に強い体をつくりましょう。

予防接種は早めに受けておくことが大事

インフルエンザの予防接種は、受ければ感染が防げるというわけではありませんが、乳幼児の場合は特に重症化を防ぐ上で有効です。園に通う子どもは、集団感染の可能性もありますから、予防接種を受けておくと安心です。
 
予防接種は10月末頃から各医療機関で始まります。免疫がつくのに2週間はかかるので、流行り始める前の12月初旬までには2回目を完了しておきたいところ。他のワクチンとの同時接種も可能ですから、かかりつけ医と相談してスケジュールを立てましょう。

 

 

万一感染した場合、抗インフルエンザウイルス薬を発症から48時間以内に服用することで、ウイルスの増殖を抑え、重症化を防ぐことができます。発症から3~7日間はウイルスを排出しています。処方された薬は症状が収まっても飲みきり、医師の許可が出るまでは外出を控えましょう。

接種開始はいつ? …… 10月頃からスタート
何歳から接種可能? …… 生後6カ月からOK
接種回数は? …… 13歳未満は2回
1回目と2回目の間隔は? …… 2~4週間が有効

免疫がつくには? …… 約2週間を要する
接種はいつまでに? …… 流行り始める前(12月初旬)までに2回目を終える
接種できないのは? …… 強い卵アレルギーのある子ども

※卵製品でアナフィラキシーを起こしたことがある極強度の卵アレルギーのある子どもは、医師と相談を。

 

※miku26号(秋号)p.20の上記記事についてのお知らせ
「インフルエンザ予防接種のポイント」というコラム内の情報が、8月より変更になりましたので、以下お知らせいたします。

このページの情報は、変更後のものを掲載しています。
●1回目と2回目の間隔は……<変更前>1~4週間が有効 →<変更後>2~4週間が有効

 

※この記事は2011年に取材、掲載されたものです。 
予防接種・ワクチンに関する最新の情報は http://www.know-vpd.jp/ でご確認ください。 

 

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イラスト/犬塚円香 取材・文/中野洋子

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