1日を規則正しく過ごすのがポイント
夜泣きは、ママ&パパにとって、悩みの種。毎晩のように夜中に起こされ、疲労困憊というママも少なくないでしょう。夜泣きの原因や乗り切り方について、子どもの発達に詳しい吉川はる奈先生に教えていただきました。
毎晩のように起こされ、赤ちゃんに激しく泣かれると、ママも泣きたくなるほど辛いもの。泣く理由がわからず悩んだり、赤ちゃんの世話の仕方がいけないのかと自分を責めてしまう人もいるようです。
「夜泣き」の原因は不明です。生理的欲求や体調が悪くて泣くのとは違い、原因がないのに、決まって夜になると泣くのが夜泣き。頻度や泣き方のパターンなどは個人差が大きく、生後3カ月から始まる子もいれば、1歳過ぎて夜泣きが始まる子もいるなど、時期もさまざまです。
夜泣きのメカニズムははっきり分かっていませんが、睡眠サイクルが未熟な乳児期に現れる、成長の一過程とされています。眠りは、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠からなっていますが、この切り替えがうまくいかず、レム睡眠の時に目が覚めて泣くと考えられています。日中、いつもよりたくさん遊んだり、いろいろな人に会った刺激によっても、寝ている間の神経が過敏に反応すると言われます。
泣いている赤ちゃんを抱っこして、背中をさすったり、トントンとたたきましょう。「泣いちゃったね~」「大丈夫だよ~」などとやさしく声をかけると、安心するでしょう。
タオルでくるんで抱っこする、部屋を歩く、子守歌をうたうなど、いろいろ試して、赤ちゃんが眠る“ツボ”を探してみましょう。ママが眠くて起き上がれない時は、添い寝のままでもOKです。
でも、こうすれば泣き止むという決定打がないのが、夜泣き。ママの睡眠不足や寝てくれないというイライラが赤ちゃんに伝わり、さらに夜泣きがエスカレートすることもあります。抱っこしつつ、「そのうち泣きやむだろう」と開き直るのも肝心です。
パパと交代で抱っこしたり、曜日ごとに夜泣き当番にするなどして乗り切っている家庭もあります。昼間赤ちゃんが寝ている間は一緒に横になり、寝不足や疲れがたまったら、ファミリーサポートや一時保育を利用して、少しでも体を休ませましょう。
寝てくれたらラッキー!
夜泣き対策あれこれ
体の発育に伴い、神経系が発達してくると、睡眠サイクルがだんだんできてきますから、基本的な生活のリズムを意識して作ることも大切です。起きる時間、寝る時間はもちろん、食事、入浴、外出などもだいたいの時間を決め、規則正しく1日を過ごせるように心がけましょう。
日中たくさん遊んで適度に疲れると、夜はしっかり眠れるようになっていきます。昼間は、公園や児童館などに、できるだけ出かけましょう。
寝不足だからと家にこもるより、外に出かけた方が、ママのリフレッシュにもなります。
1歳後半~2歳頃には、ほとんどの子どもの夜泣きはなくなります。夜泣きは今の時期だけの成長の証と、前向きに受け止めて乗り切りましょう。
取材・文/中野洋子