硬派の報道番組から、やわらかなバラエティーの司会まで、活動の場が広がっています。さわやかな笑顔がステキな、6歳の女の子と、2歳の男の子のママ。お子さんとの日常も垣間見られる、ブログもママたちに人気です。
政井マヤさん
上智大学文学部社会学科卒業。学生時代、メキシコ合衆国へ留学。2000年フジテレビ入社。アナウンサーとして活躍。2007年、フジテレビを退社してフリーに。現在、BSジャパン「日経プラス10」にて月火メインキャスターを担当。夫は俳優・前川泰之さん。ブログ「マサイマヤ族の冒険」 が人気。http://ameblo.jp/masai-maya/
下の子は「ママ大好き」って、しょっちゅう言ってくれます。照れ屋の上の子は「ママありがとう」ってお手紙をくれることも。
家族で山や海に行ったり、自然に触れる……。くだらないことで笑い会ったり、一緒に過ごす時間が、幸せ。
育児ストレスは、同じ頃に出産したママ仲間とのおしゃべりで救われています。
もともと子どもが得意というわけではありませんでしたが、家族が欲しい、子どもがいる家庭を築きたいと思っていました。妊娠がわかったときは、結婚は決めていましたが、まだ公表していなかったんです。ちょうど会社の人に伝えようと思っていたところでしたから、うれしいサプライズでした。
私としては、未知の世界にすごくドキドキを感じました。子育てと言うよりも、まずは「妊娠出産という一大イベントをどう乗り切るか」という気持ちが強かった。不安というより、楽しんで経験できたらいいな~と思いました。
幸い、妊娠中の体調も悪くなく、しいて言えば食べづわりくらいでしたから、空腹にならなければ大丈夫。妊娠中はマタニティスイミングをしたり、マタニティヨガに通ってみたり、充実した日々を送りました。歩いていても、おなかの中に赤ちゃんを感じて「1人じゃないんだ」と実感。まだ会ってもいないのに、とても幸せでした。
仕事については、「自分が結婚したら、どんな風に仕事をしていこうか」と、考えている時期でもありました。
自分のペースで子育てしたい、子育てしながら、今まで通りのペースで仕事をするのは、私には難しいだろう……。そんなことを考え、フリーに挑戦することを決めました。妊娠したからこそ、腹が決まったという感じです。
一人目の出産は6時間45分。安産だったし、平均的な出産時間の半分くらいでしたが、それでも、思ったよりは大変でした。夫も立ち会ってくれたのですが、産み終わった後は、走りきった後のような、富士山に登り切ったあとのような、すがすがしい気持ちになったことを覚えています。富士登山、したことはないんですけどね(苦笑)。
二人目のときは、夫も出張中で、何より、震災直後だったので預けた娘の様子も気がかりで、お産にあまり集中できなかったかもしれません。一人目は感動と感激、二人目は生まれてきてくれた……という安堵感でした。
上の子は抱っこさえしていれば、ご機嫌でした。ただ、私がいないと、何時間も泣き続ける子でした。産後2カ月の時に、はずせないイベントの仕事が入っていて、5~6時間泣き続けたことがありました。母乳だったのでほ乳びんを受け付けてくれず泣き続けるので、仕事があるときには、なるべく仕事場の近くに預け、3時間経つと赤ちゃんのところに行って授乳し、また仕事に戻ることもありました。仕事の関係者にも配慮してもらい、でも、赤ちゃんも自分も泣きながら……という感じでしたね。
下の子は、抱っこしていても何しても、泣き続ける子でした。小児科医にも相談しましたが、ゲップがなかなか出なくて苦しくて泣くことが多かったみたいです。下の子が第一子だったら私のやり方が間違っているのかしら、と自分を責めてつらかったでしょう。でも、第2子だったので、「この子はよく泣く子なのね……。とことん付き合ってあげるよ」と思うことができました。でもその大変さも生後3カ月くらいまでのこと。そのあとは、ニコニコご機嫌なことが多くなりました。
卒乳は親子で乗り越えた試練でした。丸二日、泣かれました。上の子の時は、私の顔を見ると、おっぱいが欲しくなってしまうので、私は隣の部屋にいて、夫が泣く子どもの相手をしてくれました。下の子の時は、真夜中に泣く子を抱っこして、何時間も散歩したことも。乗り越えてみると、お互いひとつ大きくなった、そんな気がします。
夫とは育児の関わりはフィフティーフィフティと言えるほど。おむつ替えや新生児の頃の入浴はもちろん、「授乳以外なら何でもできる」と言っているほど。夫がロケの仕事で家にいない日が続くと、体を使うダイナミックな遊びもできなくて、子どもも寂しそうです。
上の子はごっこ遊びが大好きでした。おもちゃのバギーを押してお人形を託児所に預けるシーンは、何百回やったことか。下の子は重機が好き。何時間も工事現場を観察したりしています。
読み聞かせは、寝かしつけの日課。きつく叱ってしまった日でも、絵本は怒った気持ちでは読めないんです。ゆったりした気持ちで、仲良く絵本の世界を楽しみます。「これ読んで」と絵本をムスメが選んだり、「今日はママが選んで」とか。絵本の時間は、親子とも大好きな時間。子どもは絵本からいろんな刺激を受けていますし、私自身も絵本を読む時間に癒されています。
上の子は同性ですし、弁がたつので親子げんかになってしまうことも。そんな時には、客観的に見ている夫が「あとでオレがゆっくり話すよ」って、子どもと向き合ってくれたり。一緒に子育てしてくれる夫にも、とても救われています。
子育ての方針は、「人として大事なことはきちんと教えたい」と言うこと。自分を大切にする。思いやりの気持ちをもつ。ウソをつかない。食べものや物を大切に。ありがとうとごめんなさい、をきちんと言う……ことくらいでしょうか。あとは子どもらしく、育ってくれればいいと思っています。
取材・文/高祖常子 撮影/福田依子