ごきげんなママになろう!
1日24時間という決められた時間の中で、上手に時間を使うことができたら、子どもとの時間に当てられたり、家事をスムーズにこなせるだけでなく、自分のための時間ももてるようになるはず。ごきげんなママでいられるためにどうしたらいいか?女性のためのさまざまな講座を開催している「アナザー・キッチン」主宰の浅倉ユキさんにお話をうかがいました。
浅倉ユキ先生
全日本ズボラ主婦連盟代表、時間管理術研究科、ゆるべじ料理研究家。肉、魚、乳製品、卵、砂糖、みりん、酒、だしを使わない簡単野菜料理「ゆるべじ料理」ほか、「主婦のための手帳術(あな吉手帳術)」など、さまざまな講座を開催する「アナザー・キッチン」を主宰。通称「あな吉さん」。主な著書は『あな吉さんの「ゆる家事」レッスン』(筑摩書房)ほか多数。
https://zuboren.com/
「子どもがいるから○○ができない」「時間がなくて○○ができない」、そんなママたちのストレス値を下げることをモットーに、料理をはじめとする家事や時間管理のさまざまなアイディアを提唱している浅倉ユキさん。「どんな悩みも“最初にゴールを決めて、どうありたいか”を考えると、どうすればいいかが見えてくる」というのが浅倉さんの考え方。
「家族が求めているのは、家事を完璧にこなすけどストレスいっぱいのママじゃなく、いつもニコニコごきげんなママのはず。何のための家事かといえば、家族みんなが楽しく毎日を暮らすため。みんながハッピーでいられるなら、家事は完璧じゃなくてOK!」とおっしゃいます。
この場合のゴールは「家族がハッピーで毎日楽しく暮らす」こと。そういう風に考えると、「わが家は、温かいごはんを家族で食べるのが一番」とか、「家の中が片づいているのが一番」など、家庭ごとの優先順位がみえ、エンドレスの家事のなかでも、何をすればいいのかおのずとわかるということです。
たとえば食事も、「料理が苦手だけど、手作りしたい。しかも家族が喜んでくれて、よく食べてくれて、ヘルシーなものがいい」と思ったら、極端な話、毎日鍋料理でもいいというのが浅倉さん流。「もちろん家族が嫌がるならやめたほうがいいですが、意外に夫も子どもも喜ぶかもしれませんよ。それに、飽きるのでは?という問題点があるなら、鍋の味付けを変えればいい。
冬じゃないのに……というなら、春夏はお皿に盛りつけて食卓に出せばいい。問題点がみつかれば、そうやってどうすべきかの対策もみつかるもの。 ゴールが明確なら、あれもやらなくちゃ、これもやらなくちゃ、といった考えにとらわれる必要もなくなります」。
大切なのは、家事を手抜きしましょう、ということではありません。エンドレスの家事のどこに線を引くか、自分や家族にとって大事なことがわかれば、その線がみえてくる。エンドレスのエンドをここにしようと分かれば、時間に追われることも少なくなっていくでしょう。
もうひとつのポイントは、「掃除、洗濯、調理それぞれにかかる家事の時間がどれぐらいなのか“見える化”してみることだそう。
「トイレやお風呂掃除に何分かかるかなど、自分で一度計ってみることです。トイレ掃除は10分、掃除機は15分など、家事にかかる時間がわかっていると、いま○分時間があるから○○ができるな、と判断でき、 効率よく時間を使えるようになりますよ」。
所要時間が見えていると、子どもやパパの協力もあおぎやすくなることも。
「子どものお手伝いは、“毎日10~15分決まった時間”を基本にするのがおすすめ。野菜を洗う、玄関の靴をそろえるなど、園児にもできることはたくさんあります。終わる時間がわかっていれば、子どももいやいやではなく、日常化しやすくなります」。
子どもも日常的に家事に参加することで、家事を「自分たち家族のこと」と受け止められるようになる。これはママの手助けになるだけでなく、子どもが生きていくために必要な生活力が身につくことにもなりますね。
フリージングは、「忙しいママにとって便利で強い味方になる」と浅倉さん。これからのシーズン、食材をくさらせないですむだけでなく、調理の時短にもなります。
●乾物も水にもどして冷凍しよう
ひじきや切り干し大根など、乾物はヘルシーだから活用したいけれど、調理時間がかかるから、なかなか利用できない……というママもいますが、乾物を戻すのに時間がかかるのであれば、あらかじめ水で戻して、水切りしてから冷凍しておくようにすれば問題解決。時間がある週末などに下ごしらえ+小分けにして冷凍をしておきましょう。使いたいときにパッと使えて、調理時間も短縮できます。水に戻して小分け冷凍するだけなら、パパにもできる作業ですね。
●残ったおかずも小分けして冷凍に
買ってきた食材も、冷凍できるものはなんでも冷凍してしまいましょう。冷凍の際は、小分けしておくと使うときに便利です。食べ残したおかずも、小分け冷凍しておきます。食べ残しは、次の食事で出すと「残り物」感が強くなりますが、冷凍して3日後ぐらいにまた食卓に出せば、それだけでもう一品のおかずに変身!食材をくさらせることもなくなり、節約にもなります。忙しい朝のお弁当作りなどにも大いに活用してください。
浅倉さんが提唱する「主婦のための手帳術」。ここでは1つだけポイントを教えていただきました。
●フセンを使って、 徹底活用しよう!
家族の都合や毎日の状況に応じて、予定が変動しやすい主婦。そこでスケジュールも直接手帳に書き込むのではなく、フセンに書くようにしましょう。予定が変更になったら、フセンを移動させるだけ でOKです。例えばホームパーティ。パーティー当日の予定を書くだけでなく、「パーティー用食材買い出し」も前日などの予定にフセンで貼っておきます。前日に別の用事が入ってしまったら、そのまた1日前にフセンを移動。そうしていけば、どんなに忙しくても、準備を忘れていた!とあわてることがなくなります。やるべきことを細分化してフセンを貼っていくことで、臨機応変に予定を変更していくことができます。
To Doリストを作る上でも、やるべきことを1項目ごとフセンに書いておけば、終わったものから削除していけるので、「やった」という達成感も生まれますし、何をすべきかが一目瞭然。やりたいこととやるべきことを色分けしたり、いろいろと活用できます。この方法を身につけておくと、仕事を再開したときにも、きっと役に立つはずです。
イラスト/サカモトアキコ 取材・文/山田治奈