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あのパパに逢いたい…… 佐々木健介さん

あのパパに逢いたい……
佐々木健介さん

2012年には「24時間テレビ」(日本テレビ)チャリティランナーとして、家族4人によるリレーマラソンを行った佐々木健介さん一家。強いプロレスラーとしての顔を持ちながら、子どもたちにはやさしい父の顔を持っていらっしゃいます。

佐々木健介さん
1986年後楽園ホールで、プロレスラーとしてデビュー。2004年度にはプロレス大賞MVP、2005年には年間最優秀ベストバウト賞を受賞するなど、トップレスラーとして活躍。2014年2月引退を表明し、現在はタレントとして活躍。2児の父。妻は、元女子プロレスラーの北斗昌さん。

上の子は15歳。高校生になり声変わりをしたし、下の子は小学6年生。成長はうれしいけれど、ちょっと寂しいような複雑な心境。「パパ! パパ!」って高い声で呼ばれていた頃を懐かしく思います。

初めての沐浴は軽いけれど、ガッチガチだった

妊娠中のことは、今でも鮮明に覚えています。「自分の子ができた!」っていうのは、とてもうれしいけれど、自分のおなかにいる訳じゃないし、やっぱりピンと来ない。友だちの子どもを見て「かわいい」とは思うけど、想像の世界でしかなかったですからね。喜び方がわからなかったという感じです。
 
そのころは試合続きだったんですが、妊婦健診も一緒に行きました。エコーに写った顔を見て「パパ似だね」なんてママと話したりしました。おなかをなでたり、話しかけたりも、よくしていましたよ。
 
父親学級にも出席しました。出産の時には左手にビデオ、右手にデジカメを持ってスタンバイ。長男がおなかから出てきたときは「あ~出てきた」って、なんか不思議な感覚。「オレの子だ! オレの子だ!」って、少しずつ実感がわきました。
 
産院では、自分の赤ちゃんでお風呂の入れ方を教えてくれたんですが、緊張して、もうガッチガチ。赤ちゃんはめっちゃ軽いんですが、お湯に落としちゃいけないと必要以上に力が入ったのを覚えています。

寝不足よりわが子を育てる喜びの方が大きい

生まれてからは、お風呂に入れるのはもちろん、オムツを替えたり、ミルクを飲ませてゲップをさせたり、一通りなんでもしました。悔しかったのは、自分が母乳を出せなかったこと。赤ちゃんにボクの乳首をくわえさせたこともありましたが、「違う!」って顔されましたね(笑)。
 
夜中も2~3時間ごとに起きて、ミルク作ったり、おむつ替えたり。ママは出産後で体も疲れているから、少しでも負担を軽くしてあげたいと思って、積極的に育児しました。ママは大ざっぱなので、ボクの方が子どもの世話、うまいと思いますよ。
 
そのころは、プロレスのシリーズ中で、家から試合に通うことも多かったんです。

寝不足で試合に出たこともありましたが、それでもきついとは思わなかった。寝不足よりも、わが子を育てている喜びの方が勝っていましたね。ボクは産むことはできなかったけれど、子育てはママ任せにしたくなかったし、たくさん子育てしたい、子どもに関わりたいと思いました。
 
本当に子育てが大変だと思ったこと、ないんですよ。義務感でやっているわけでもない。子どもがかわいくって、自分がやりたいという気持ちからやってます。
 
友だちから、「赤ちゃんが生まれると夜泣きが大変で別の部屋に寝ていた」なんて聞いて、「へ~、そうなんだ」って思っていたんですが、子どもが生まれてからそんなこと全く思わなかったですね。

「私は家政婦じゃない」の言葉に気づかされた

今は、家事や子育て何でもしていますが、結婚したばかりの頃は、何もしなかったんですよ。福岡出身なんですが、家事とか何もしない父親を見ていたから、自分がやりたくないとかじゃなく、そういうものだと思ってた。そうしたら、ある時「私は家政婦じゃないんだよ!」って、どやされました。
 
ママが怖いからやっているわけではないんですよ(笑)。その言葉で気づくことができて、よかったと思っています。そこからは自然にやるようになりました。

分担とか、特にルールを決めているわけではありません。手があいている方が洗濯したり……。でも、女性のパンツって、どっちが上だかわからなくて、干すときにいつも迷います。
 
長期のシリーズの試合の場合は難しかったけど、幼稚園とか学校とかの行事には9割以上参加しています。子どものために出てあげたいというよりも、自分が行きたいんですよ。ママ友も、いっぱいいて仲良しです。

「大丈夫?」と声をかけることで「大変」を言いやすくなる

試合で巡業に行っているときは、ママが1人で子育てしているので電話で話したり、電話で子どもの声を聞かせてもらったりしました。そのときはいつも「大丈夫?」「何かない?」って聞くようにしていました。
 
子どもが生まれる前のこと。試合で疲れて、体も痛くて。自分のことでいっぱいいっぱいで、イライラ。そんなときに「大丈夫?」「何かやることない?」って、ママが言ってくれて、すごく気が楽になりました。ちゃんとオレのこと見てくれている、考えてくれているってね。「オレだってこんなに疲れている」「私だって」ってなっちゃうと、会話も一方通行でしょ。やっぱり気持ちの交流ができていないとダメだなと思ったんです。 

「大丈夫?」って聞くと、「大丈夫だよ」って言ってくれる。大切な気持ちが入っていると思うんですよ 。大丈夫じゃなければ、「こういうことがあって……」って教えてくれるだろうし。

こっちが「大丈夫?」って聞かないと、ママも言いにくいと思うからね。

 

次男が生まれたときは、会社がつぶれたりしてどん底だったんです。辛かったけれど、子どもの寝顔を見ると、「この子たちのために頑張らないと」と思えた。子どもの笑顔に力をもらいました。

 

帰宅が遅くなると、枕の上に「いつも仕事頑張ってくれてありがとう」って手紙が置いてあったことも何度もあります。今でも取ってある宝物がいっぱいです。

子どもはかけがえのない存在。大きくなっても一生守りたい。家族がお互いの気持ちを分かち合えるっていうのは、子どもにもいいし、自分も幸せです。

 

 

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