上の子も下の子ものびのび!
きょうだいゲンカも、つい上の子を叱ってしまいがちですが、ケンカの原因の多くは、「ぶつかった」「モノをとった」など、ささいなことが多いもの。きょうだいゲンカを始めたときは、年齢にもよりますが、「気のすむまでケンカしていなさい」とお母さんはさっとその場を離れてしまうのもおすすめです。
そうすることで、お母さんの気持ちもクールダウンしますし、当の本人たちも、「お母さんがいっちゃった」ことの方が一大事。「ごめんね」とあやまったり、「じゃあ順番ね」などと本人同士で解決しようとすることもあります。
ケンカに限らず、きょうだいの間でいざこざがおこると、お母さんはつい上の子を責めてしまいがちですが、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)だからわかるでしょ」「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだからがまんしなさい」という言葉はNGです。まずは上の子の気持ちをくんであげてから、下の子に対応するようにしましょう。
また、どんなにイライラしても、「あなたなんか私の子じゃない」「出ていきなさい」なども、絶対に言ってはいけません。言われた子は「ぼく(私)だけが嫌われている」と、自分の存在そのものを否定するようになってしまいます。
一人でさえ大変な子育てなのに、きょうだいとなると、心配や気がかりが増えるものですが、兄弟姉妹がいることで精神的なタフさが身につきますし、下の子の面倒をよくみるお兄ちゃん、お姉ちゃんに成長する姿も見られると思います。
きょうだいそれぞれの個性や持ち味を認めながら、比較せず、おおらかな気持ちで“きょうだい育て”を楽しみましょう。
下の子におっぱいをあげている時にかぎって、上の子が「遊んで」とせがみます。
これは上の子からの、「ボクもかまって」の合図。上の子に「おっぱいが終わったら、遊ぼうね」と約束し、ちゃんと約束を果たしましょう。毎回なら、先に上の子とちょっと遊んであげてから、「ママおっぱいあげるからね」と下の子におっぱいをあげるようにすると、上の子は「ママが先に自分と遊んでくれた」と満足して、下の子におっぱいをあげさせてくれるでしょう。
おやつなど食べ物のとりあいが多いのですが、どうしたらいいですか。
きょうだいで食べ物を分ける場合は、上の子も下の子も平等に分けるのが原則です。「シュークリームが2つあるから、二人で1つずつ食べてね」など、お母さんが数をきちんと示して分けることを習慣づけるといいですね。慣れてくると、きょうだい同士で分けるのが上手になります。数が合わないときにも、じゃんけんなどで分け方を工夫したり、譲ることも覚えていきます。
赤ちゃんが産まれたら、5歳の上の子が哺乳瓶を持ちたがるなど赤ちゃん返りを始めました。
5、6歳の年齢でも、下の子が産まれたりすると赤ちゃん返りをする事があります。「だめよ。お兄ちゃんでしょ」などと否定せず、「わかった。はい、哺乳瓶よ」など、できるだけ付き合ってあげましょう。上の子の甘えたい気持ちを受け止めると、満足していずれやめてしまいます。
ひとりっ子はどのように育てたらいいの?
一人にしか目がいかないので、親は一日中わが子だけを見てしまいがちです。できるだけ子どもの中で育てることを心がけましょう。同年齢だけでなく、異年齢の子どもと触れ合うことで、下の子のお世話をしたり、上の子に遊びを教えてもらったり。子ども自身の世界が広がりますし、親だけでなくいろいろな人とのコミュニケーションを学ぶことにもつながります。
イラスト/犬塚円香 取材・文/長島ともこ