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子どもがかかりやすい秋冬の感染症

赤ちゃんは重症化の危険性が。家族の予防と健康管理がポイント

子どもがかかりやすい秋冬の感染症

毎年、秋から冬にかけて流行するのがウイルス性の風邪。免疫力も抵抗力も弱く、体力もない子どもは、感染のリスクが高くなります。小児科医の原木真名先生に、病気の特徴や予防対策について伺いました。

原木真名先生
まなこどもクリニック(千葉市緑区)院長。感染症など一般小児科が専門。子どもたちの健やかな成長と幸せを願い、病児保育やママの子育て支援などに尽力。

感染を防ぐにはワクチン接種とウイルスに接触しないのが一番

寒くなって空気が乾燥すると、ウイルスが猛威をふるいます。シーズン中は、地域の流行状況にアンテナを張っておくことが重要です。秋から冬に流行る4大ウイルスは感染力が強く、飛沫や接触、経口でうつるため、流行すると予防が非常に難しくなります。保育園や幼稚園での集団生活では、一人感染者が出るとたちまち広がります。
 
対策として、インフルエンザとロタウイルス性胃腸炎は、ワクチン接種が一番。接種すれば万全というわけではありませんが、感染した場合の重症化を避けることができます。
 
RSウイルスとノロウイルスは、ワクチンがありません。予防策は、ウイルスに子どもを近づけないこと。流行時は人混みに子どもを連れ出さないこと、家族がうがい・手洗いを徹底して家にウイルスを持ち込まないことがポイント。感染を広げないために、家族間のタオルの共有も避けましょう。
 
感染した子どもの便や吐しゃ物の始末をする際は、細心の注意を払いましょう。マスク、手袋、眼鏡を使用する、オムツや使った雑巾などは密封して処分する、着ていた服は着替える、飛沫が飛び散った床や壁は塩素系消毒剤で消毒するなど、二次感染を防ぎましょう。

要注意:秋から冬に流行る4大ウイルス感染症

子どもの急な体調変化をキャッチしましょう。言葉で訴えられない乳幼児の場合、おっぱいをほしがらない、機嫌が悪い、元気がない、ぐったりしているなどの様子を見逃さず、早めに受診しましょう。

 

◎ノロウイルス・ロタウイルス

主な症状 発熱、嘔吐、下痢、脱水、けいれんなど。下痢は水のような状態で何回も繰り返す。ノロウイルスは発熱してもさほど高くならない。ロタウイルスは38度以上になるケースが多く、白っぽい便が特徴。

予防接種 ロタウイルスのワクチン接種は、2回接種または3回接種の2種類があり、生後2カ月から開始。ノロウイルスは予防接種なし。

◎インフルエンザ

主な症状 突然、38度を超える高熱が出て、頭痛、倦怠感、関節痛、筋肉痛などの全身症状が強く現われる。重症化するとけいれん、意識障害などの脳症を合併することも。

予防接種 10月頃から接種を開始し、ピークになる前までに2回接種を済ませる。生後6カ月から接種できる。

◎RSウイルス

主な症状 発熱、鼻汁、激しい咳などの症状が現れ、細気管支炎を発症すると、ぜん鳴(ぜいぜいと音がする呼吸)が出る。生まれたばかりの赤ちゃんや心肺に疾患がある子どもは重症化しやすい。

予防接種 なし。

日頃と違うという直感を大事にかかりつけ医の受診を

秋冬の病気は、熱が出るケースが多いもの。でも高熱が出ても慌てないことです。薄着にさせて、水に濡らしたタオルを首にあてたり、室温を低めに保ったりして、体の熱を逃してあげる工夫をしましょう。
 
吐き気をもよおした時は、顔を横向きに寝かせましょう。吐いたものが寝ていて気管に入ると、窒息の危険性があります。脱水にならないよう、こまめに水分を与えます。
 
幼い子どもは、一気に症状が悪化することがあります。頻繁に吐く、呼吸が荒くて顔色が悪い、意識がはっきりしないなど、親の直感として明らかに危機的な状況が感じられたら、夜中でも受診しましょう。
 
診療時間外の夜で受診の判断に迷うときは、小児救急電話相談「#8000」を利用しましょう。子どもの様子をよく観察し、経過を医師に具体的に伝えることも大切です。

 

相談窓口

ダイヤルすると、都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師より、子どもの症状に応じた適切な対処法や受診する病院などのアドバイスを受けられます。

 

 

※この記事は2014年に取材、掲載されたものです。 
予防接種・ワクチンに関する最新の情報は http://www.know-vpd.jp/ でご確認ください。 

 

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