家族や友だちと一緒に!
幼児期の2~3歳の年の差は、子どものできることで比べると大きな差があります。でも、その分、異年齢だからこそ学びあえることもたくさんあるというもの。
玉入れの時。小さな子は、玉を上からしか投げることができなかったのですが、年上の子が下からふわっと投げて高い位置の的に上手に玉を入れるところを見て真似してチャレンジ。「あ、入った!」と、できることが増えた喜びの瞬間も見られました。ジャングルジムの高い位置に上れなかった子が、遊びに夢中になって、いつの間にか友だちと同じように高い位置に登れるようになったシーンも。
「互いに刺激しあうことで、同じようにやってみたいという挑戦する気持ちがわいてきたり、いつも感じていた恐怖心を無意識に取り除くことができたりします。力を発揮できる瞬間ですね。こんな瞬間に出合えるのも、群れ遊びの醍醐味のひとつです」と斉藤さん。
「一人でコツコツ取り組む逆上がりや縄跳びの練習も、集中力や根気を身につけ、達成感を味わうには必要な取り組みです。でも、仲間と遊ぶと、常に相手を意識して、“どうしたらいいか?”と自然に考えながら遊びを進めています。運動能力だけでなく、社会性や知恵も育っているのです」。
群れ遊びを通して、仲間を思いやる心や、その場の空気が感じられる力、コミュニケーション能力が育まれます。スポーツ技能が向上すればいいというのではなく、ほかの人と関わる社会性も育みながら、運動能力も磨いてあげられるといいですね。それには“運動遊び”の経験が何よりです。「うちの子は遊んでばかり!」ではなく、「こんなにたくさん遊べた!」という視点で見守ってあげましょう。
撮影/平瀬拓 取材・文/山田治奈