トラブルを避けるには?子どもの情報はどこまでOK?
FacebookやLINE、TwitterなどのSNSを利用しているママが増えています。育児に必要な情報を交換できたり、同じ思いを共有できるというメリットがある一方、ママ友づきあいなどで悩んでいるという声も。情報に振り回されず、うまく付き合うコツを、子育てとメディアの関係に詳しい天笠邦一先生に伺いました。
天笠邦一先生
昭和女子大学 人間社会学部 現代教養学科 専任講師。藤沢市政策研究員、株式会社インフィールドデザインなどを経て、2015 年4月より現職。専門は、メディア論と社会的ネットワーク論(特に子育て領域)。
SNSは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの略。子育て期にSNSを利用すると、ご近所や同じ保育施設に通うママだけでなく、より幅広いママたちと交流できるようになります。そこで育児に必要な情報交換ができたり、愚痴を言い合える相手が増えると、育児の大変さが軽減されることもあるでしょう。直接つながらなくても、日本全国に同じような月齢・状況の子を持つパパ・ママがいることに共感したり、子育て中の孤独感が癒されるという声もあります。
しかし、子育て中のママの中には、SNSを利用することで関係が悪くなったり、連絡を取るのが負担になったりして、人間関係にストレスを感じている方も多くみられます。
SNSの利用に正解はありませんが、注意したいのは、それぞれのママによって、SNSとの付き合い方が違うということです。SNSを利用する際は、他のママたちに自分と同じようなSNSの利用を強要しない、また強要されない(あえてすぐに返事をしないキャラになるなど)ようにし、適切な距離感を保つことが大切です。忙しい子育て中は、何か知りたいことがあればすぐに検索でき、友だちとも簡単に繋がれるSNSに頼ってしまいがちになります。しかし、実際にわが子や家族がいるのは、目の前の現実です。SNSには、できることとできないことがあることを意識して、気を取られすぎないように、頼りすぎないようにしましょう。
実際の生活を中心に据えたうえで、SNSはあくまで補助的なものだという認識を持ちましょう。
ママ友とのつながりはSNSだけに頼るのでなく、リアルに集まるオープンな場を作って、コミュニティを閉じさせないことが大切です。
ソーシャルメディア上を流れてくる情報は「絶対に正しい」とは限りませんし、偏った情報が多いのも実情です。すぐに鵜呑みにせず、情報元が信頼できるかを見極め、複数の情報を見比べましょう。
不確かな情報をむやみに拡散しないこともマナーのひとつです。ネット上の情報に振り回されることなく、SNSはあくまでも子育てを楽しく前向きにするための「道具」だということを忘れないようにしましょう。
SNS利用の注意点とマナー
基本の考え方
ネットの世界に「絶対安心」はないので、可能な限り個人情報はアップロードしないこと。顔が出ないようにする、子どもの名前を出さない、住居を特定されないようにする(映り込むものに注意し、スマートフォンの位置情報機能をオフに)。特に子どもの裸や水着姿は、悪用される危険もあるのでアップロードしないこと。
公開範囲が細かく設定可能なので、信頼できる範囲に限定すれば、ある程度は安心して利用可能なのが特徴。友だちの「タグ付け」はプライバシーにかかわるので、許可がなければ避けること。実名公開が前提なので、無理しない、相手に無理を強いない利用を心がけて。
Twitter
アカウントが複数持て、情報発信しやすい。文字情報が基本で、匿名性もあるので、一つひとつの情報に振り回されないように。自分の趣味の情報提供や情報収集の場にすると、育児の息抜きになる。
LINE
ママ友との連絡等に便利なLINE。とにかく「気にしすぎない」ことが一番。気にしすぎるタイプの人や、細かい人間関係は苦手な人は、「子どもに手がかかって、すぐに返事は返せないと思う」などと先に言っておいたり、あえてLINEをやらない、LINEグループに入らないのも○。検索機能で自分を探せないように設定しておくとトラブル回避に。
取材・文/椹寛子