「ほめる」「励ます」「広げる」言葉がけを
子どもの自己肯定感を高める関わり方&言葉がけ日常の関わりで、子どもをたくさんほめましょう。思いを受け止めること、あるがままを認めることが大切です。
以下を参考に、子どもが笑顔になる言葉をかけましょう。
●お皿に出された物を残さずに食べた
「おいしかったね。いっぱい食べてくれて、ママ嬉しいな」
●テーブルの下に食べものをこぼした(面白がってわざと落とした)
「あれれ、どうしたかな?○ちゃんが食べてくれないと、ママ悲しいな」
食べてくれた時に「よかった、ママ嬉しい!」と伝えることが大事。
●他の子が遊んでいるおもちゃを奪ってしまった
「○ちゃんはこれで遊びたかったのね。でも、お友だちも遊びたいんだって。どうしようか?」
(頭ごなしに「返しなさい」ではなく、子どもの気持ちを受け止めて考えさせるように)
「こっちのおもちゃはどう? ○○ちゃんと仲良く遊べるかな?」
(強制するのではなく「○○してみたら」と提案するようなアプローチを)
●滑り台の順番を守れた。友だちにおもちゃを「どうぞ」と貸すことができた
「順番守れたね(お友だちと仲良くできたね)、エライね」「みんなと仲良く遊べると楽しいね」
●病院の待合室で走り回って騒いでしまう
「ここはみんなが静かにするところなのよ。○○ちゃんもできたらカッコいいよ」
(初めてのことであれば、わかるように教えてあげる。できたらほめてあげる)
●園に出かける支度をすべて自分でできた
「すごいね、自分で全部できたの。さすが年長さんだね」「今日は一人でできてエライな。ママのこと待っててくれて、ありがとう」
●テレビを見ていて支度をしない。行かないとごねる
「そうか、今日は行きたくないの。じゃあ、どうしたら園に行きたくなるかなぁ?」(じっくり話を聞いて、まずは気持ちを受け止める)
生物学的に見て、女性の方が生命力は強いとされ、男性は精神的にナイーブで打たれ弱い傾向にあると言われています(※)。
男の子を育てるママは、このことを充分に理解して関わることが大切です。男の子だからと厳しくしたり突き放すのはマイナスで、むしろ幼児期は要求を受け入れて満たしてあげることが大事。充分に甘えさせる方が、自己肯定感を育むことになります。
子どもはほめられると、嬉しいという快感を味わい、認められることで自信を持ちます。何かできた時にすかさず、「よくできたね」「すごいね」とほめるのがポイント。たとえ失敗しても「よく頑張ったね。えらいよ」と、努力したことをほめましょう。
新しいことに挑戦している時は「できるよ、大丈夫だよ」と励まし、困っている時は「こうしてみたらどう?」と提案して視野を広げてあげましょう。「ほめる」「励ます」「広げる」関わりがやる気を引き出し、自分で考えて創造する能力を高めます。
毎日の豊かな遊びこそ、子どもには一番の栄養です。自由に好きなだけ遊べる環境で、満足感や達成感を味あわせてあげましょう。ぜひママやパパも一緒に遊びを楽しんでください。
内田先生が提言する子どもの心に寄り添う
一親子間で対等な人間関係をつくりましょう
二親は子どもの安全基地になりましょう
三子どもに「勝ち負けの言葉」は使わないこと
四子どもの言葉や行動を共感して受けとめましょう
五人と比べず、その子ができたことを認めてほめましょう
六禁止や命令ではなく、「~したら」と提案してあげましょう
七教師のように完璧で隙のない説明や定義をしないこと
八子ども自身に考える余地を与える働きかけをしましょう
九急がせずに待ち、つまずいたら支え、一歩踏み出すのを助けてあげて
十子どもと共に暮らす幸せを味わいましょう
※遺伝子は女性の性染色体が「XX」、男性の性染色体が「XY」で構成。X 染色体には免疫機能に関わる遺伝子情報が含まれ、1つしかない男子は遺伝的な病気にかかりやすいとされる。
イラスト/犬塚円香 取材・文/中野洋子