何枚着せる? どう着せる?
これからの季節、子どもの服の着せ方に迷うというママも多いのでは?動きやすく、調節しやすい服装選びと着せ方のコツを子ども看護の専門家、新谷まさこ先生に伺いました。
新谷まさこ先生
看護師・子ども看護学専門家。和歌山県立医科大学看護 短期大学部卒業後、 総合病院、大阪市保健福祉センター 勤務後独立。 現在は#8000(大阪府夜間小児救急電話相談)にも出務。著書は『子どもの病気・ケガまずの対応マニュアル』(ひかりのくに株式会社)。
よく「子どもは大人より1枚少なめ」といいますが、赤ちゃんと幼児では服装のポイントは異なります。基本的には体温調節が未熟なねんねの赤ちゃんは大人より1枚多め、ハイハイやよちよち歩きの1歳頃は大人と同じくらい、走り回って汗をかきやすい2歳頃からは大人より1枚少なめが目安です。
上手な重ね着ポイントは、「空気の層を作ること」と、「肌に繊維の刺激を与えない」ことです。
肌に優しいコットンの肌着の上に、薄手の長袖Tシャツが基本。肌寒い時は着脱しやすいカーディガンやベストを重ねましょう。汗をかいたら、まずは肌着を替えればOKです。
冬の服装といえばニットなどのあったか素材を思い浮かべますが、ニットだけを着ても空気が抜けてしまい、暖かくはなりません。薄手の服を重ねて空気の層を作ることで、薄着でも暖かい状態を作ることができるのです。
一番肌に近い部分は、コットンの肌着を着ることで、肌に繊維の刺激を与えないことも大切です。外出時には風を防ぐジャンパーなどを上に重ねましょう。手足や首元を温めると体が保温しやすくなるので、外出時は手袋、マフラー、帽子などで防寒を。手袋やマフラーは遊具で遊ぶ際は外しましょう。マフラーは、自分で調整できない赤ちゃんは抱っこやベビーカーで巻き付いたり引っ張られたりすると危険なので使用は控えましょう。
まだ言葉を話さない赤ちゃんが寒いかどうかわからない時は、まず手を握ってみて。手が冷たいのは赤ちゃんからのサインです。次に脇の下やお腹や背中など体の中心を触ってみましょう。そこがほんのりと温かければ、体の中心までは冷えていないので大丈夫。冷えているようなら、服やかけもので調整したり、抱っこしたりして温めてあげましょう。
外出時に子どもの服をたくさん持ち歩くのは大変なので、ママがストールを巻いておくと便利です。ベビーカーや抱っこひもの上からかけたり、幼児のマフラー替わりにもなります。
家の中でも靴下は必要?
暖房などで室温が22~23度に保たれているなら、靴下はいらないでしょう。寝返り前の赤ちゃんは、自分で体を動かせないため、温かい熱が体から逃げていきやすいので、足が冷えていると感じたら、靴下をはかせるか、上掛けで調整しましょう。長時間、靴下を履かせていると体温がこもってしまうこともあるので、様子を見て調整しましょう。
ハイハイからよちよち歩きの頃は、靴下をはくと転びやすいので、レッグウォーマーが便利です。外出時に抱っこやベビーカーで靴下を脱いでしまう時は、上から靴を履かせるか足つきのカバーオールもおすすめです。
熱がある時の服装のポイントは?
ゆとりのある風通しのよい服が基本です。寝る時は薄手の長袖パジャマか、長袖のTシャツ1枚に長ズボンにして、寒そうならば掛け布団で調節します。厚着にすると体が放熱できず、熱がこもり、脱水症状をおこしやすくなります。
イラスト/サカモトアキコ 取材・文/さわらぎ寛子