子どもと向き合う時間を意識して作ろう
子どもの言葉の発達に応じた言葉かけを
感覚遊びを楽しむ乳児期には「トントントンだね」「きらきら光っている」など擬態語を使い、2歳前後で二語文が出始めた事には「わんわんがいたね」「ボールがなくなっちゃったね」など、親も二語文に近い言葉かけを。子どもの語彙の発達に応じた声かけを心がけるようにすると、より伝わりやすくなります。
朝時間を丁寧に過ごしながら言葉がけを
朝は、朝食~登園の準備などで子どもも親も忙しいものですが、少し早起きして、登園までの時間を長めに取ってみましょう。そして、「起床→着替え→歯みがき→親子遊び(家の近くを少し散歩)→朝食→排泄→登園準備→登園」といった毎日の流れを作ってみましょう。それぞれの活動に関わりながら親が言葉がけすることで、親子のコミュニケーションがより密に取れるようになります。
幼児期になり、回りの人との意思の疎通がある程度できるようになると、身の回りのことやお手伝いもだんだん上手になってきます。子どもにお手伝いをお願いするときは、「①今何をしてほしいか、②それはどのようにするのか、③どこから始めてどこで終わるのか、④その活動はどこでするのか」この4つを、なるべく簡潔な言葉でわかりやすく伝えることが大切です。
「早くしなさい」や、「ダメでしょ!」など、責め立てたり否定する言葉は避けましょう。「早くしなさい」は、親である大人の都合から出てくる言葉。具体的なアドバイスを伴わないこの言葉は、子どもには単なる「音」にしか聞こえません。年齢に合わせて「お部屋の時計の針が○になるまでに片づけよう」など、目当てを示して声をかけましょう。
「ダメでしょ!」など子どもを否定する言葉は、子どもを叱る時に出てしまいがち。危険なことをした時や乗り物の中で騒いだりした時は、感情を出して叱ることもOKですが、うっかり飲み物をこぼしたり、力が入って絵本を破ってしまった時などは、「叱る」のではなく「教える」スタンスで。「コップはこうやって持とうね」「絵本は優しくめくろうね」など、具体的な対処法を伝えましょう。
心身が著しく発達する乳幼児期に、ママやパパからかけられた言葉は、その子の一生の宝物になります。子どもと一緒に遊んだり活動し、子どもの成長を楽しみながら「言葉」という愛情を伝えていきましょう。
【0歳代】
感覚遊びを通して
遊びの例:
抱っこしてゆらゆら、くすぐりっこ、何かを一緒に叩く、ティッシュや葉っぱを落とす など
【1歳代】
運動遊びを通して
遊びの例:
飛行機ブーン、イモムシごろごろ、ボール遊び、追いかけっこ など
【1歳半前後〜2歳代】
簡単なお片づけや衣服の
着脱など身の回りの
活動を通して
身の回りの活動の例:
自分で食べる、靴の脱ぎはき、手を洗う、手をふく など
【3歳〜】
お手伝いを通して言葉かけ
お手伝いの例:
お皿を並べる、食べ終わった食器をキッチンへ運ぶ、靴をそろええる、洗濯物をたたむ など
イラスト/サカモトアキコ 取材・文/長島ともこ