ヨーグルト×酸味
五味の中でも「酸味」には、腐敗物の存在を教えてくれる大事な役割があります。それだけに、酸味に慣れていない赤ちゃんにとっては、苦手と感じることも。ヨーグルトやトマトは、離乳食作りに便利な食材ですが、食べやすくする工夫が必要です。今回は、ヨーグルトを使った夏らしいレシピを伝授してもらいました。
滝村雅晴さん
パパ料理研究家。ビストロパパ代表取締役。大正大学客員教授。日本パパ料理協会会長飯士。YouTubeビストロパパCHANNELで、料理教室動画配信中。料理教室、講演のほか、各メディアでも活動し、パパ料理の普及・啓蒙を行う。NHK「きょうの料理」にも出演。
(左)●初期 (右)●中期
●後期
●完了期
ONE POINT
ヨーグルトは、水分を切るだけでも酸味をやわらげられます。ざるにキッチンペーパーを敷き、その上にヨーグルトをのせて数時間放置するだけ。水分はホエーといい、ヨーグルトの本来の栄養がたくさん入っているので、捨てずにパパママが飲んでもいいですね。
大人よりも平均体温の高い赤ちゃんにとって、夏の暑さは大人以上に食欲が落ちる要因のひとつ。そんなとき、冷たくて、栄養もあり、さわやかなおいしさを感じられるヨーグルトは、離乳食にとても便利です。
ただし、ヨーグルトは酸味が感じられる食材。酸味は生物学的には、腐敗物のシグナル。発酵物ですから、それも納得ですね。ですから、初めはヨーグルトを苦手と感じる赤ちゃんもいるでしょう。
今回は、かぼちゃやさつまいもなど、他の食材の甘味を利用して食べやすくした離乳食を紹介します。1食の量が増え始める後期には、寒天を使ったゼリーで、夏らしいひんやりした食感を楽しめるものを。手づかみ食いが始まる完了期には、手でつかんで食べやすいパンケーキにしてみました。
手づかみ食いは、成長過程の大切な体験です。お行儀悪いと思わずに、存分に手づかみを見守ってあげましょう。
茹でさつまいもペースト
[材料]
さつまいも | 3~4センチ |
水 | 少々 |
プレーンヨーグルト | 大さじ1 |
[作り方]
1.さつまいもを輪切りにして茹で、皮をむき、すり鉢で水を少し入れてすり潰してペースト状にする。
2.1とヨーグルトを和えて器に入れる。
ヨーグルトと茹でかぼちゃのマッシュ
[材料]
かぼちゃ(皮を除く) | 50g |
プレーンヨーグルト | 大さじ1 |
[作り方]
1.皮を落としたかぼちゃを茹で、マッシュする。
2.かぼちゃを器に盛り付け、上にヨーグルトをかける。
ヨーグルトのせ寒天ゼリー
[材料]
リンゴ | 1/4個 |
にんじん |
10g |
水 |
150cc |
粉寒天 |
1g |
プレーンヨーグルト | 小さじ1 |
[作り方]
1.リンゴは皮をむいてすり下ろす。
2.にんじんは茹でて柔らかくなったらフォークでつぶす。
3.鍋に水、粉寒天を入れて火にかけ、沸騰したら1~2分、粉寒天が溶けきるまで煮詰める。火を止めたら、①とプレーンヨーグルトを入れて混ぜ、粗熱をとる。
4.器に3を流し入れて冷蔵庫で固まるまで冷やし、上からヨーグルト(分量外:少々)をかけて、にんじんをトッピングする。
バナナパンケーキ
[材料]
バナナ | 大さじ1 |
ヨーグルト |
大さじ2 |
小麦粉 | 大さじ1 |
サラダ油 | 少々 |
[作り方]
1.バナナをフォークでつぶし、ヨーグルト、小麦粉を和える。
2.フライパンを中火にかけて薄く油をひき、1を500円玉ぐらいの大きさで流し入れ、表裏両面を焼く。
3.お好みで、ペースト状にしたバナナ(分量外)を添えて食べてもよい。
撮影/福田依子 取材・文/山田治奈