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日常的なビタミンD 不足にご用心  紫外線を上手に浴びよう!

日常的なビタミンD 不足にご用心

紫外線を上手に浴びよう!

日焼けを気にするあまりに、紫外線対策を念入りにしているママも多いのですが、一方で紫外線を浴びないと健康リスクが高まるという情報も。子育て世代に向けて日光浴の重要性を訴えている坂本優子先生に教えていただきました。

坂本優子先生
順天堂大学医学部附属練馬病院 整形外科・スポーツ診療科助教。 小児整形外科を専門として、先天性股関節脱臼、先天性内反足、脚長不等などの症状がある子どもたちの治療に携わる。ビタミンD欠乏によるくる病の子どもの増加に伴い、日光浴の大切さを訴えている。

骨の成長を助けるビタミンDは成長期の子どもに不可欠

最近、乳幼児やママ、プレママ、そしてお年寄りなどにも、ビタミンD不足が深刻化しています。その要因として、日焼けを嫌って過剰に紫外線対策したり外出を控えているという現状があります。

 

ビタミンDは小腸や腎臓からのカルシウム吸収を助け、骨の健康を保つ上で重要な栄養素。不足すると赤ちゃんは1歳頃に、ヨタヨタした歩き方のくる病になりやすく、ママ自身も、骨がもろくなり、骨折や骨粗しょう症を引き起こすと言われます。

紫外線を浴びると、ビタミンDが皮膚で合成されます。ところが、紫外線を恐れて日に当たらないと、慢性的なビタミンD不足に陥ります。妊娠中には胎盤を通しておなかの赤ちゃんへの栄養が届けられますが、もともと日光を浴びずにビタミンDが少ないママから生まれてくる赤ちゃんは、ビタミンD欠乏のリスクが高くなります。
 
妊娠中から紫外線を避ける生活をしているママは子どもが生まれてからも外出をほとんどしなかったり、日差しを避ける生活をしているため、子どもが紫外線を浴びることができず、ビタミンD欠乏が継続してしまうことがあります。
 
粉ミルクにはビタミンDが加えられていますが、母乳にはほとんど含まれていません。完全母乳の赤ちゃんはどうしてもビタミンDが不足しがちになるため、離乳食が始まる頃から意識的に日光浴をするように心がけましょう。
 
特に、食物アレルギーの子どもは要注意。食べ物からビタミンDを十分に摂ることができず、その上、紫外線を浴びない生活を続けていると、3~4歳になってからくる病を発症することも珍しくありません。骨の成長障害を生じて、骨折しやすくなったり、転びやすくなるなどの心配も出てきます。

親子で1日20分の外出を肌に直に太陽光を浴びるように

栄養バランスのとれた食事と日光浴の両方が、子どもの成長には必要です。ビタミンDは野菜や果物、穀類に全く含まれていません。野菜に偏った食生活を続けていると、魚や卵などの動物性食品が極端に少なくなり、ビタミンDが不足します。
 
ビタミンDを摂取するには、日焼け止めを塗らず、肌(腕や足の一部でOK)に直接、太陽光を浴びるのがポイント。ビタミンD合成に働くUVlBは窓ガラスを通らないため、室内に入る日差しでは意味がありません。

 

秋口であれば昼間20分程度、散歩や買い物、外遊びなどで日光浴できれば十分です。ビタミンDの生成は紫外線量に比例しますので、日差しが弱い冬は40分程度、日光を浴びて、ビタミンDを含む食べ物も摂るよう心がけましょう。

子どもと外遊びを楽しみ、お日様と仲良くなって健康的な毎日を送りましょう。

ビタミンD を多く含む食べ物

ビタミンD は、油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつ。サケ、マスなどの魚介類、きくらげなどのきのこ類に多く含まれ、穀類や野菜には含まれていません。

焼き鮭 しらす干し うなぎ蒲焼 さば水煮 きくらげ 鶏卵 イワシ(丸干) いくら たらこ 干ししいたけ など

子どもも食べやすいビタミンD入り肝油

子ども用の肝油は、食べやすく、手軽にビタミンDを摂ることができます。かかりつけ医と相談の上、日光浴が足りない冬場など、食事で摂れない分を補うつもりで取り入れてもいいでしょう。ただし、子どもはお菓子のように食べてしまうこともあるので、きちんと管理しましょう。

 

イラスト/サカモトアキコ 取材・文/中野洋子

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