2003/5/16
◆子育て家族のアウトドア講座 第三話◆
「川遊び、初めの一歩/自然観察は体験から」
そこで今日は川の自然に気づくきっかけとして、簡単な川遊びの提案をしたいを思います。目指す場所は、里山の河川、ちょうど水遊びによさそうな場所を探してください。最近は、ネットで検索すれば、川遊びに適した場所を探すのは、そう難しいものではありませんよね。
出かける前に準備するものは、1.5リットル以上のペットボトル、タコ糸(2mくらい)、はさみ。これらを使って、小魚を捕まえるワナを作るのです。作り方は簡単。まず、ペットボトルの口付近に二箇所、はさみの先など尖ったもので2mmくらいの穴を空けます。そこにタコ糸を通して、手提げのように結びます。底の方にも尖ったもので数箇所穴を空けます、これは水抜き用の穴なのでタコ糸は通しません。これでワナの完成です。あとは、川に向かう途中で、釣具屋さんに寄って鯉用の練り餌(300円くらい)を購入しておきます。
川に到着したら、ペットボトルの中に小石をいくつか入れて重しにします。そこに練り餌を練って3つ、4つペットボトルに入れて、流れの緩いよどみなどにペットボトルを沈めます。ペットボトルが見えないように水草の陰などに隠します。タコ糸は水面付近の岩や木の枝に結んでわかるようにしておきます。これでセット完了。あとは30分ほど待つだけで、中に小魚が入っている、というあんばいです。待っている間は、浅瀬の石を裏返して水生昆虫でも観察しましょう。昆虫図鑑とデジカメを持参すれば、子供達の記憶にもより鮮明に残ります。
そろそろペットボトルを引き上げましょうか? 中に何が入っているでしょうか? 私の実績では、カワムツ、オイカワ、ドンコ、ヨシノボリ、エビ、ブルーギル、鮒などが入ったことがあります。捕まえた魚は、飼育用の透明のプラスチックケースがあれば、横から綺麗に観察することができます。
こういった川遊びだけに限りませんが、自然との触れ合いの中から、意識することなく環境のことに気持ちが反応するようになって欲しいなぁ、と思います。
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日差しが強くなってきました、と書きましたが、水辺で直射日光に長時間当たっていると疲れますし、肌にもよくありません。特にお母さんや小さい子供達は、紫外線対策をきっちりとやりましょう。そんな日差しを避けるのにうってつけのアウトドアグッズがあります。"タープ"というものです。これはナイロンの一枚ものの生地をポールとロープ(張り綱)を使って、即席の日除け(屋根)になるもので、アウトドアシーンの中でも直射日光だけでなく、雨や雪、時には風を避けるために使用されています。歴史の古いアウトドアグッズではありませんが(平成年代になってから普及したのです)、その手軽さと機能であっという間にアウトドアグッズの定番となりました。大人数に対応する大きなサイズから、バックパッキングなどの一人のシーンに対応するコンパクトなものまで、様々なバリエーションのサイズがありますので、自分の家族にあったサイズのものが選べます。これひとつ持っておけば、川遊びだけでなく、ピクニック、海水浴などいろんなアウトドアシーンで大活躍すること間違いなしです。
余談ですが、以前、雑誌のお仕事で、その雑誌の読者モデルの家族に川遊びの指導をするという設定で、福岡県の糟屋郡に須恵川という川遊びにうってつけの川でロケを行った時の話です。その家族には、事前に「川遊びをするので濡れてもいいTシャツ、短パン、ゴム草履で来てください。」と伝えてありました。ところが、当日、お母さんは川遊びにはまったくそぐわないファッションで現れ、お父さんは草履を履いた素足で川に足をつけることができなかったのです。お母さんは人のアドバイスを聞かないし、お父さんは子供よりも自然と触れ合うことができない、その現実にちょっとびっくりしたのを覚えています。今、この記事を読んでいただいている方は、少なからず自然と遊ぶことに興味がある方々だと信じていますので、そんなことはないと思いますが、日本という不思議な国は、人間が生活している上で絶対に必要なものと疎遠になってしまうような教育をしてしまっているようです。
【次回予告】
・ブルーギル釣りとザリガニ釣り
・シェラカップについて