2003/7/10
◆子育て家族のアウトドア講座 第5回◆
「雨と楽しく付き合う」
もう梅雨も終わりに近づこうとしていますが、アウトドア遊びと雨は切っても切れない関係で、基本中の基本の知識です。雨と言えばどうしても「おうちにじっとしていよう」的発想になってしまいがちですが、せっかくお休みを確保しているのであれば、たまには積極的に雨の中で遊んでみませんか?
今回は、そんな雨と楽しく付き合うためのアウトドアグッズのあれこれをご紹介したいと思います。
(1)レインスーツ
上下に分かれた雨ガッパ。素材がいろいろあって水は通さないのに体から発散される汗の蒸気は通しムレを軽減するゴアテックスという高価な化学素材のものから、水は絶対に通さないけれど蒸気も通さないというナイロンにゴムをコーティティングした安価なものまであります。家族で行くキャンプの場合には、ハードなトレッキングなどをするわけではないので、高価なものは必要ありませんが、揃えたいグッズのひとつです。小雨の中の散策などで威力を発揮しますがなんといっても大活躍するのは雨のキャンプの撤収です。
(2)傘
折り畳み傘をいくつか持って行くことをお忘れなく。急な雨に最も手軽に素早く対応できる優れものグッズです。アウトドアブラントから強度のある物が出ていますが、街角で見かける安価なものでかまいません。キャンプサイトから車までの移動、小雨の中の観光地巡り、散策などで活躍します。レインスーツの下(パンツ)を履いて、上半身は傘をさしてのトレッキングは上半身が蒸れず快適な雨の散策が楽しめます。雨はちょっとうっとおしいけれど、雨が演出してくれる自然の風景を子供たちにも経験させておきたいものです。雨の日にしか遭遇できない生き物とも出会えるかも。
(3)ポンチョ
一枚の防水ナイロン生地の真ん中に穴が開いていて(そこにフードがついている)、そこに首を通して体全体を覆うように被る雨対策グッズ。着用が楽で非常時には雨避け用の簡易屋根になり、バックパックごと雨を防ぐことができます。随分昔からあるアウトドアグッズですが、登山者以外で知っている人は意外と少ないです。蒸れず、着脱が楽なのでもっと見直されてもよいと思います。
(4)速乾性シャツ
最近は化学の進歩のおかげでいろんな素材が開発されていて、ここで紹介するのは水分を素早く皮膚から遠ざけ空気中に発散させるという機能を持った素材のTシャツ。アウトドアショップにいけば必ずと言っていいほど売っていて、ポリプロピレン系の素材のものが数社から出ています。雨に濡れても乾きが早く、汗をかいてもベタベタしないので、不快感が軽減でき、霧雨くらいならこのまま遊んでも短時間で乾いてしまいます。濡れても体温が奪われにくいので子どたちの体調不良も未然に防げます。
(5)アクアシューズ
水の中で遊んでも中に入った水は、ちゃんと排水され、動きやすいようにシンプルなシルエットをしたアクアシューズがここ数年注目を集めています。アディダスやナイキが発売したものが、今では多くのブランドで作られています。
素足に履くものなので、靴下も不要。雨になると足元はどうしても濡れてしまうので、これからの暖かい季節は最初から足元が濡れることを想定して、こういったものを用意しておくと濡れて不快な気持ちにならなくてよいです。
足首がしっかり固定できて、ソールがしっかりとしたスポーツサンダルも雨の時に使い勝手良好です。
(6)タープ&テント
雨の日に雨に濡れない空間を作り出すのがタープ。雨はもちろん、直射日光や風も遮ってくれます。例えば5m四方のタープがあれば25平方メートルの雨に濡れない空間ができます。その下にテーブルと椅子を用意して、タープにあたる雨音を聞きながら、読書をしたり、お絵かきをしたり、ゲームをしたりと、雨の中で過ごす時間を子供達にも体験させてみてください。また、雨の日、雨音を聞きながらテントの中でゴロゴロのんびり過ごすのはリラクゼーションとしてとても心地良いもの。でもこれは雨対策ができてこそ実現する時間なのです。
以上、雨対策のアウトドアグッズたちとご紹介してきましたが、実は雨が降った時にお父さん、お母さん方が「雨だからどうしよう?」と悩んでしまわずに「雨でも楽しもう!」という気持ちになれるかどうかが重要なキーワードだったりします。ちょっと辛いアウトドア体験は、のちのちとても素敵な想い出にかわります。この夏は、キャンプの時に雨に降られてあたふたするのではなく、雨が降ったら気分を落ち着かせ、雨を楽しんでみてください。もちろん、周辺の川の増水などの危険には十分注意を払って。