2003/11/13
◆子育て家族のアウトドア講座 第9回◆
「キャンプ場でのマナーとルール」
オートキャンプ華やかかりし平成一桁年代、何から何までいろんな道具を持ち込むキャンプスタイルでキャンプ場は賑わっていたのですが、道具やスタイルが複雑になるにつれて、キャンプ場でのモラルが低下の一途を辿りました。しかし、それでは楽しいキャンピングライフもおくれませんので、マナーやルールを守ってキャンプ場を利用したいものです。ここではそのいくつかをご紹介したいと思います。
(1)キャンプ場にはルールがあります
キャンプ場には、ゴミの出し方(ゴミをすべて持ち帰ることが義務づけられているキャンプ場も多いですし、分別して出すところも増えています)、直火の扱い、チェックアウトなどキャンプ場毎に決められたルールがあります。キャンプ場にチェックインする時に、きちんと確認しましょう。ゴミは持ち帰るのを基本としておきたいものです。子供たちにもその理由を言いきかせながら一緒にゴミ分別をしたりしましょう。
(2)キャンプサイト選びとセッティング
自由にキャンプサイトが選べるフリーサイトのキャンプ場でも、他のキャンパーのスペースを遮ったりしないよう、適切なプライベートスペースの確保を心がけたいものです。また、キャンプグッズも無駄に余裕を持って広くセッティングするのではなく、適度なスペースでセッティングしましょう。また、キャンプサイトはそれぞれのキャンパーのリビングスペースですから、他のキャンプサイトを横切ったり、通り抜けたりするようなことのないよう配慮してください。子供は特にキャンプ場内をところかまわず走り回りがちですので十分注意しておきましょう。また、他のサイトの子供たちが騒いで来たら、きちんと指導もしてあげてください。
(3)自然の中の騒音公害
どんな音、どれくらいの音量を騒音と感じるかは人それぞれです。自分では心地よく感じる音でも、他のキャンパーにとっては単なる騒音に感じてしまうこともあります。特に、キャンプ場では音がよく通るので、大きな音をたてないように配慮して行動します。せっかく自然の中で過ごしに来ているのですから、ラジカセなどでBGMなんて鳴らすのはやめましょう。電子ゲームやカラオケなど問題外ですね。キャンプ場を利用する資格はないと思います。川のせせらぎ、木立の葉が風に揺れる音、野鳥の鳴き声など、心からリラクゼーションさせてくれる音が満ちているのですから、それらを存分に楽しみましょう。図鑑を持って行って子供たちと一緒に野鳥の声当てごっこなどがおすすめです。
(4)クルマにも配慮
車もエンジン音やドアの開閉の音が騒音となることがあるので、車の運転にも要注意。何度も何度もエンジンをふかしたりしないよう、エンジンは車をとめてから、撤収時まで可能な限りかけないようにしたいものです。ドアの開閉音もなるべく小さくしましょう。夜間、早朝の到着、出発も他のキャンパーの迷惑になりますので、時間を意識してキャンプ場の出入りを考えます。キャンプ場内では徐行運転はもちろんのこと、急ブレーキや急発進を避け、キャンプサイトをはじめとする地面を傷めることのないようにしてください。また、アイドリング駐車は排気ガスで静かな自然の空気を汚してしまいますし、他のキャ
ンプサイトから排気ガスの臭いがしてくると不快なものですので、しないようにしましょう。
(5)共同施設の利用
炊事場やトイレ(シャワールームがあるところもある)など、共同で利用する施設は、当たり前ですが、キャンプ場利用者全員が気持ちよく使えるように、清潔に使いましょう。炊事場に食材の切り屑や食べ残しを置き去りにするのもご法度です。
(6)焚き火は楽しみたいけれど
焚き火はキャンプの楽しみのひとつですが、キャンプサイトを汚すし傷めるということで、キャンプ場によっては地面で直接焚き火をすることを禁止しているところがあります。キャンプ場を予約する時に事前に管理人さんに確認しておきましょう。また、禁止されていなくても、自然保護を考えて、できるだけ焚き火台などを利用して、直接地面の上でしないように心がけましょう。直接地面で焚き火をする場合には、可能な限り小さなスペースで焚き火をし、後始末もきちんと行ってください。風が強い時には、火の粉が飛んだり、煙かったりしますので、他のキャンプサイトのそばでは控えるようにしましょう。当然のことながら、消火は完全に行ってください。
(7)花火は考え物
花火は火の粉が飛ぶので、熱に弱いテントやタープに穴があくようなことがないよう、充分キャンプサイトから離れた場所で遊ぶようにしますが、打ち上げ花火など火の粉が飛びやすいタイプの花火は避け、手に持って遊ぶタイプのものにしましょう。もちろん、爆発音やシューッという火薬が燃える音は騒音の原因ですから、なるべく静かなものを選んでください。そして、花火で遊び終わった後は、火やゴミの始末も忘れずに。ちなみに、私は、キャンプでの花火は反対派なのです。
(8)ペット同伴
最近、イヌを連れてキャンプをする人たちが増えてきました。時には、ハムスターやフェレットなども見かけます。出かける前に目的のキャンプ場がペットの持ち込みを許可しているかどうか確認しておきます。当たり前の話ですが、キャンプ場では飼い主が責任をもって管理してください。基本的には放し飼いにせず、リードでつないでおくようにしてください。また、吠え癖のある犬もなるべくなら連れて行かないようにしましょう。ペットは、普段から連れ歩きに馴らしておくようにしましょう。
以上、あれこれマナーやルールを紹介してきましたが、がんじがらめのキャンプを想像されるのではなく、自然に対してローインパクトであり、周囲には迷惑をかけないように、という日常生活でもごく当たり前の行動が基本姿勢なのですから、日頃の生活の中で家族全員で意識していれば、さほど難しいことはないと思います。
【次回予告】
・防寒対策