2004/2/12
◆子育て家族のアウトドア講座 第13回◆
「アニマルトラッキング」
動物の姿を見ずに、動物の存在を知るアウトドア遊びがあります。これってけっこうハマる遊びなのです。その名を“アニマルトラッキング”と言います。
「トラッキング」とは「追跡」と言う意味で、動物の痕跡を元にその動物を追跡することなのです。
本来、河原や湿地でも動物の足跡は残るので、一年中足跡さえ見つけることができれば、追跡できるのですが、冬は雪の上に残った動物の足跡を見つけることが簡単なので、一般的には、雪の降る今の季節(冬)がアニマルトラッキングのベストシーズンということになります。なので、アニマルトラッキングと言えば、通常、雪の上に残された動物の足跡を追いかけることを言います。
動物を追跡するとは言っても、実際に人間を警戒し、雪の上を自由に行動する動物そのものを発見することはそう簡単にできることではないので、ここでは動物の足跡を見て、その動物がどんな動物なのか?その動物がどのような行動をとっているのか?ということを頭の中で想像し、追跡する遊びなのです。足跡を探すだけなので、小さな子供でも楽しめるアウトドア遊びのひとつです。
きちんと防寒対策をし、実際に雪の降ったフィールドを散策してみてください。今まで気づかなかったと思いますが、よく観察すると足元の雪の上に何かの足跡が見つかると思います。里山の方まで行けば、ウサギの足跡が比較的見つけやすいものです。その他にもテンやネズミ、野鳥の仲間の足跡がいくつも見つかるはずです。運がよければ雪が積もった朝、自宅の裏庭でも何かの足跡が発見できるかもしれません。そんな足跡を見つけ、その足跡が誰のものだろう?とか、何のためにここを通ったのだろう?とか、足跡がどっちの方向に向かっているか?とか、そんなことを想像するのです。雪の上の足跡を見ていると、時にはキツネの足跡がウサギの足跡を追いかけている場合などもあります。雪の上にはこのように動物たちの行動の記録が足跡というカタチで書き込まれているのです。それを観察して、想像すること自体が楽しいから不思議です。その足跡の主が何なのかわからなくても、足跡を見ているだけでも楽しめますが、その足跡の主を特定できるとより楽しいものですから、もし、自宅に足跡も紹介された動物図鑑があれば持参して、どの動物か調べてみましょう。あまりゆっくり時間がない時は、デジカメで撮影しておいて、帰宅してじっくり図鑑を見たり、ネットサーフィンしながら、その足跡の正体を突き止めるのも家族の団欒の時間が盛り上がります。
それにしても、不思議なものです。動物の足跡を見つけるだけでワクワクして楽しい気持ちになれるなんて。雪と言えば、雪だるまを作りますが、それのどこが楽しいのか説明しろ、と言われてもできませんが、そんなものなのかもしれません。なので、ぜひ一度、雪の上に動物の足跡を探してみてください。
※日経サイエンス社から発行されているフィールドガイド「足跡図鑑」という書籍がオススメです。
▼朝起きて、窓からこんな風景が見れたなら、雪の上に足跡を探してみよう