2004/9/2
◆子育て家族のアウトドア講座 第23回◆
「アウトドアで使う食器の基礎知識」
アウトドア(特にキャンプ)で使用する食器にも、家庭用と同様に様々なものが存在しています。オートキャンプとバックパッキングでのキャンプでは選ぶ食器も違いますし、もちろん作って食べる料理も違います。以下に、各種の食器の特徴を示しますので、自分たちのアウトドアシーンに合わせて選んでください。
(1)強化陶器製
落としても割れない陶器として“コレール”が有名で、キャンプの時も家庭の陶器の食器をそのまま使っているような雰囲気があります。スタッキング性(収納性)も高く、料理も美味しく盛りつけられるますし、テーブルから落としたくらいでは割れないので、我が家ではオートキャンプで愛用しています。落としても割れないので、子供が小さいご家族でも大丈夫。食事の後は、ティッシュで拭き取るだけでほとんどの汚れが落ちてしまいます。ただし、アルミ製などと比較すると多少重量があるので、バックパッキングには向いていません。アウトドアショップよりも大きなスーパーなどの方が安く購入できます。
(2)ステンレス製
素材自体に抗菌作用があるとも言われています。重さは少し気になりますが、かさばりませんし、変形もしにくく丈夫です。金属でも錆びにくいので手軽に扱えることがメリット。楕円の皿にカレーライスなんか盛りつけたら、子供の頃のキャンプを思い出してしまいますね。食事の後は、ティッシュで拭き取るだけでほとんどの汚れが落ちてしまいます。スープなどの食事の場合、食器ごと火にかけて暖められます。
(3)アルミ製
軽量なので、たくさん持っていくときにいいですが、変形しやすいので乱暴な扱いにはちょっと注意が必要です。食事の盛り付けはいかにもキャンプという雰囲気が出るのがオツなものです。その軽さからバックパッキングにも向いています。ティッシュでの拭き取りは、陶器やステンレスよりは劣りますが、まあまあです。価格も低めで大人数の時にはおすすめです。
(4)チタン製
軽量なうえ、丈夫で、スタッキング性の高い製品もあるので非常に性能的には食器としての価値ありなのですが、高価なのがネックです。一枚1,000円以上するので、例えば、家族4人分、一人2枚ずつ揃えるだけでも、8,000円もかかってしまいます。どちらかと言えば、ひとりでバックパッキングする人向けでしょうか。アウトドアショップでしか入手できません。
(5)プラスチック製
量販店など、どこでも入手できます。軽量かつ安価であるのが魅力。一枚数十円から購入できるのでパーティーのような大人数でのオートキャンプなどで重宝します。欠点は、色の選び方次第では、料理が全然美味しそうに見えないのと、洗剤と同じ原料からできているので、洗い流す時に洗剤の落ちが悪いこと。我が家でも以前は使っていましたが、今はまったく使っていません。参考までに、濃い赤やパープルは、食事がまったく美味しく見えません。安価だからと言って使い捨てしないように気をつけましょう。
(6)ホーロー製
洗い易いし、いかにも“アメリカンなキャンプしています”という雰囲気が揺るがぬ人気のホーロー製食器。スタッキング性はいいですが、陶器製と同様重量があるのでオートキャンプ向きです。個人的には、石などにぶつけた時に塗料が剥げたら、そこから錆びてくるのが好きではありません。最近、使っている人をあまり見かけませんが、根強い人気があります。
(7)紙製
これはもうバーベキューのような後片づけが大変な、大人数でのアウトドアパーティー向けだと割り切っていますが、使い捨てだから環境に優しくないし、料理も美味しそうには見えません。しかもだんだんやわらくなってきてしまい、一人で2枚も3枚も消費してしまう人がいますので、安価ですが可能な限り使わないで済むようにしたいものです。
最後に、もちろん、箸やスプーンといったカトラリー類も、使い捨てではなく繰り返し使えるものを持って行きましょう。これなら日常的に家庭で使っているものでOKです。
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コレールの食器に、サンドイッチのメニューは食器が汚れず、洗剤も少なくてよいので、環境に優しい。 |