2004/11/18
◆子育て家族のアウトドア講座 第26回◆
「ひっつき虫を探せ」
秋の野山を歩いたり、草むらの中を走り回ったりすると、子どもたちのシャツやズボン、靴にいろんな草の実がついてきます。これを“ひっつき虫”と呼んでいる人も多いと思います。
“ひっつき虫”は何故ひっつくのか?植物は自分で歩いて移動することができませんので、少しでも多くの子孫を良い条件の土地に送り込むために、様々な戦略を持っています。例えば、受粉という作業をミツバチなどの虫にやらせる花もありますし、タンポポなどのように風で飛んで行くものもあります。あるものは果肉を纏うことで鳥や動物に食べてもらって遠くまで運ばせ、自らパチンとはじけて種を飛ばす植物もあります。そして、今回取り上げたような人間を含む動物にくっついて運ばせてしまうという戦略をとった植物もいるのです。これが“ひっつき虫”です。
ひっつき虫は、当然、動物や人間の背の高さに合わせた高さに成長し、種を実らせます。したがって、高い樹木がひっつき虫のような実を実らせても意味がないのです。
“ひっつき虫”には、以下のような種類があります。
【オナモミ】
楕円形でトゲトゲしたラグビーボールという感じです。トゲトゲのさきっぽがちょっと曲がっていてそれが服にからんでひっつきます。これはマジックテープのヒントになったと言われています。
【センダングサ】
種の先端にトゲがあり、釣り針のように、そのトゲの先に、うしろ向きの小さなトゲがついていて、いちどささってしまうとなかなか落ちません。
【チヂミザサ】
この植物の実は、トゲ自体に粘着液のような液体が付いており、ベタベタして います。これがひっつき機能の正体です。
では、せっかくなので“ひっつき虫”で遊んでみましょう。ひとつめは“ひっつき虫ダーツ”。このゲームはセンダングサの種を使います。古くなって使わなくなったタオルやフェルトなどのケバケバ系の布地にマジックなどで的を描き、2、3メートル離れて的を狙って投げます。センダングサの種は柄を長めにつけたまま採集しておくと方向も狙いやすいです。ちょっと練習してコツを掴めば、けっこう遠くから投げても狙えるようになります。
もうひとつの遊び方は、“シューティング鬼ごっこ”。ひとり10粒のひっつき虫を持って、騎馬戦のように思い思いに逃げたり、追いかけたりしながら、友達の服にひっつき虫を投げてくっつけます。ナイロン製の上着を着ているとくっつかないので、コットンやウールの服を着ておきます。全員が投げるひっつき虫がなくなったら終了で、もっともひっつき虫がくっついていない人が勝ちです。
さぁ、今の季節限定の遊びなので、さっそくお試しください。