2005/6/16
◆子育て家族のアウトドア講座 第30回◆
「キャンプのベースレイヤー“マット”」
キャンプでは地味な存在です。おまけにあまりお金をかけてもらえない存在でもあります。しかし、キャンプでは非常に重要な役割を果たしますので、きちんとした知識の分だけキャンプが快適に過ごせます。
キャンプというアクティビティは、ある意味、自然をどうコントロールして、その中で快適に過ごすか、という側面を持っています。その中でも寒さをコントロールすることは「寒くて眠れなかった」夜を経験しなくて済むことを意味します。なぜキャンプの夜は寒くて眠れないのか?それは地面の冷気によります。地面というのは、体積が大きいこともあって簡単には暖まりません。なので、夏にキャンプをしていて日中カンカン照りの日でも、日が落ちてしばらくすると「寒くて眠れなかった」夜になったりするわけです。この冷気をシャットアウトするのがマット(もしくはマットレスと言う)なのです。
マットには、二つの役割があります。ひとつは先に書いたように地面の冷気をシャットアウトして体温が低下するのを防ぐこと、そしてふたつめは地面の凸凹を吸収し、快適な寝心地を確保することです。
【マットの種類】
マットの種類には、大きく分けて二種類あります。ひとつは、発砲ウレタンを使ったタイプで、もうひとつは浮き袋のように中に空気を入れるタイプです。前者は、ウレタンの弾力を利用した性能で、後者は空気がその性能を引き出します。空気を入れるタイプ(通常“エアマット”と呼ばれています)は、穴が開いて空気が抜けると使い物にならなくなるので、今ではウレタンマットが主流となっています。また、発砲ウレタンに空気を注入してより性能を高めたタイプも高価ですが販売されています。
【マットの厚み】
マットの性能を引き出すために重要な要素に厚みがあります。ウレタンマットを例にすると通常、最低でも1cm以上あれば地面の冷気をほぼシャットアウトしてくれます。これより薄いマットだと、人間が寝た時にウレタンが潰れて地面との距離が近くなり過ぎてしまって冷気を感じることがありますので、購入する時に目安にされてください。ホームセンターなどで販売されている銀面のマットは薄いものが多いのでチェックして購入したいものです。
【品質】
アウトドア・ブランドのマットは、フィールドテストもきっちりと実施されているせいもありますが、やはり高いクオリティが魅力です。中には1人用で1万円を超えるものもありますが、一度買えば、ほぼ一生ものとなりますので、そう考えると高い買い物ではないかもしれません。
【マットを忘れた時は?】
マットを忘れた時、地面の冷気をシャットアウトする方法をいくつかご紹介したいと思います。ひとつの方法は、スーパーなどで段ボール箱をもらってきて平らにし、2枚重ねてテント内に敷けばOKです。ただし、使い終わったらきちんと処分しましょう。ふたつめの方法は、草地などに生えている野草を刈ってきてテントの下に敷き詰めます。野草は人間の重さで簡単に潰れてしまいますので、10cmほどに敷いておきます。一度にたくさん入手できるかどうかわかりませんが、マット代わりに使えるものとしては、発砲スチロールや木の板などがあります。
マットは、キャンプで重要な役割を果たすだけでなく、ピクニックや寒い季節の屋外行事の敷物などでも大活躍してくれますので、しっかりしたものを選びたいものです。