2005/6/30
◆子育て家族のアウトドア講座 第31回◆
「自然界の毒に要注意」
夏はアウトドア遊びのベストシーズンであるとともに、動植物にとっても活動の最盛期となります。だから、フィールドでは生物と人間が接触する機会もおのずと増加します。そこでここでは、夏に遭遇しやすい毒について対策方法を考えたいと思います。
【蚊】
かつて、蚊と言えば、マラリアや日本脳炎を伝播するものとして嫌われていましたが、今ではそんなこともなくなりました。しかし、やはり刺されると痒いですし、耳元でブーンと飛ばれると快適な睡眠はありえません。なので彼らの行動パターンを知り、うまく対処しましょう。
ヒトスジシマカ:竹藪などの水溜りで発生/日中行動する。
シナハマダラカ:水田、沼で発生/日中から夕方にかけて行動する。
アカイエカ:ドブ、水溜りで発生/夜に行動する。
蚊に刺されずに快適にキャンプを楽しむには、虫除け剤は必須です。一度だけでは汗で流れてしまったりするのでこまめに塗りましょう。特に子供たちの肌は露出部分が多いので要注意です。そしてキャンプサイトでは、テーブル周りなどの人間がいる場所周辺に煙が漂うにように蚊取り線香の置き場所を調整します。また、テントの中に知らぬ間に蚊が入ってしまっては、夜中に不快な羽音で睡眠を妨害されてしまうので、テントのモスキートネットはこまめに閉めましょう。
【蜂、蛾】
攻撃的だと言われるスズメバチであれ、穏やかそうなミツバチでさえ、基本的にこちらから刺激を与えない限り襲ってくることはありません。なので、キャンプサイトでハチを見かけたからと言ってあわてる必要はなく、じっとして飛んでいってしまうのを待ちましょう。蚊と同様にテントの中に入られないように、モスキートネットはきっちりと閉めておきます。万が一、ハチに刺されてしまったら、皮膚に残っている針を毛抜きなどで取り除き、ポイズンリムーバー(毒吸出し器)で毒液を吸出し、抗ヒスタミン剤を塗っておきます。腫れがひどい時や発熱、頭痛を伴う時はすみやかに診察を受けましょう。蛾や毛虫などに刺された場合には、針を取り除く時にセロテープを使った方が便利な場合もあるので覚えておいてください。子供たちには、毛虫などにむやみに触らないように日頃から注意を促しておきたいものです。
【蛇】
日本のフィールドで遭遇する毒蛇は、マムシ、ハブ、ヤマカガシの3種類です。特にマムシとヤマカガシは分布エリアが広いため、被害例も多いようです。しかし、人間が危害を加えなければ、基本的には襲ってこない生き物なので、見かけたら離れるようにしておけば良いです。しかし、そこにいるのがわからずに知らずに尻尾を踏んでしまったりしたら噛まれる可能性があるので、キャンプサイトでは蛇を含む危険な生き物がいないか常に足元には注意する必要があります。もし、毒蛇に噛まれてしまったら、噛まれた部分を心臓よりも低くし、安静にします。次に傷口の毒を口で吸出し、できる限り早く医者に見せます。
これらの蛇は、湿気のある日陰を好むので、開けた芝生のキャンプ場などでは遭遇しにくい種ですが、キャンプ場周辺の雑木林などで遊ぶときや炊事場やトイレ付近の薄暗い場所には注意を払いましょう。