2005/8/11
◆子育て家族のアウトドア講座 第35回◆
「トレッキングの注意点」
トレッキングは、手軽な全身運動であり、家族全員で手軽にできる理想的な有酸素運動だと言われています。ちょっとした配慮で、その運動効果はいっそう高まります。効果的にトレッキングをするための知識を身につけましょう。
【ストレッチ体操】
トレッキングの前後に適切なストレッチ体操をすることは、運動効果を高めるだけでなく、ケガやトラブルを未然に防ぐことにもつながります。わずかな時間でできるので、習慣づけたいものです。ストレッチは息をつきながらゆっくり筋を伸ばしていくようにします。勢いでいきなり曲げないようにしましょう。ストレッチ運動は、左右両方やることが基本ですのでお忘れなく。
【水分補給】
人間の身体を圧倒的に占めるのは“水分”です。トレッキングでは汗をかくので、水分補給が重要です。せっかく汗をかいても、水分不足を起こしてしまうと、血液が濃くなって流れが悪くなり、心臓に負担をかけてしまうことになってしまいます。なので、運動の前にコップ1杯の水を飲み、トレッキングの途中で30分ごとに喉を潤すように水を飲むことで身体に負担がかからなくなります。喉が乾いたと思う前に水分補給をするのがコツです。ただし、一度に飲む水の量が多いと、身体を動かしにくくなるので飲み過ぎには要注意です。山などでトレッキングをする場合は、2〜3リットルくらいの水を持っていきましょう。特に子どもたちはたくさんの汗をかくので、各自デイパックに水筒を入れて歩きましょう。
【自分に合った歩き方】
トレッキングを効果的に長続きさせるコツは、自分たちのペースをしっかり保つことです。子どもたちの体力とその日の体調に合わせて、歩く早さを調節します。時々手首や首などで脈拍をはかり、心拍数が上がっているようなら、ゆっくり歩きましょう。
脈拍は、身長×1/2×0.7を目安とするといいと言われています。
また、トレッキングの途中できちんと休憩を取ることもペース作りには重要です。30分に一度くらいで休憩をし、せっかくなので周りの景色を楽しんだりしましょう。1日歩くような場合は、食事をかねて1時間程度の長い休憩時間を設けることが必要です。
【荷物の持ち方】
歩くときは手ぶらが基本スタイルです。しかし、長時間歩くときは必要な物を持たなくてはなりませんし、短時間のトレッキングでも、水とタオルは必須です。これらの荷物は、持ち方で疲労度がずいぶん違ってきます。なので、疲れず安全に歩くために、荷物の持ち方は重要なポイントになるのです。特に子どもたちは、荷物の持ちにくさだけで歩くモチベーションが大きく低下してしまいますので、配慮が必要です。子どもたちの荷物の中には、おやつなど元気になるものを多めに入れてあげたいですね。
荷物はなるべく少なく、コンパクトにまとめ、少ない荷物ならウエストポーチで済ませ、大きな荷物の場合はデイパックなどの背負うものが最適です。両手が自由になり、身体のバランスを崩さないことが、荷物の持ち方の基本です。ショルダーバックなど片方の肩にかけるタイプでは、まっすぐな姿勢が保てないので、疲れやすく、身体に負担がかかってしまいます。デイパックを背負うときは、身体にぴったりと付くように背負います。肩ヒモが長過ぎて身体から離れると、後に重心がいき、身体が反って疲れてしまいます。また、荷物がまっすぐになるよう、荷造りの際、荷物の入れ方にも注意したいものです。身体と荷物が一体化し、背負っていることを忘れられるような荷物の持ち方が理想ですね。