2005/9/1
◆子育て家族のアウトドア講座 第37回◆
「トレッキングシューズの選び方」
遊びの原点であるトレッキングも、シューズ次第で疲労や怪我をする確率も違います。そこでトレッキングシューズを選ぶにあたってのポイントをご紹介しましょう。
アウトドア遊び用のシューズといえば、昔は厚手の革に固いビブラムソールの登山靴や、それに似たデザインの軽登山靴など、比較的ハードな仕様のものばかりでした。これらは重い荷物を背負って条件の悪い場所を長距離歩くためのデザインで、靴の耐久性を最重要視した作りとなっています。ある意味、履き心地を多少犠牲にした仕様になっていたのです。
しかし、1990年代以降、相次ぐ新素材の開発などもあり、アッパー素材に丈夫なナイロン布を用い、ソール(靴底)もダメージの少ないクッション性の高い素材のものを採用したり、ゴアテックスのインナー(ゴアテックスブーティ)をシューズの中に入れて、防水性と蒸れの防止を兼ね備えた高機能なシューズも登場してきました。
特に“トレッキングシューズ”と呼ばれるカテゴリーのシューズは、日帰りから一、二泊程度の登山というよりは、高原や街歩きも含めた平地歩きにも向いているものです。
通常、くるぶしまで包みこむ高さ(ハイカット)のもので、アッパーはコーデュラナイロンで、ソールは柔らかめのブロックパターンといった仕様が、標準的でお勧めです。防水を考慮したゴアテックスブーティ仕様は、確かに高性能ですが、高価であり、子育て家族のお財布にはちょっと負担が大きいと思います。子供は成長が早いですし、小さな子供を連れて、雨の中をトレッキングする、という機会はそうないでしょうから、これは必要ないと思います。ゴアテックス仕様が欲しいのであれば、ご両親の分だけでよいと思います。
トレッキングシューズのメリットには、以下のようなものがあります。
・踝まで支えられているので足首の疲労が少なく、歩きに安定感が出る。
・踝まで覆われているので、岩などで踝を打ちにくい(怪我しにくい)。
・ソールにグリップ力があるので、滑って転倒しにくい。
また、より安定して歩きたい場合には、トレッキングポール(ストック)を購入するといいでしょう。スキーのストックのような道具で、坂を下る場合などに使用すると抜群の安定感が得られます。小さな子供たちであれば、ちょっと丈夫な木の枝を捜せば、十分代用可能です。よく転ぶ子には、軍手のような手袋が有効です。