2005/9/8
◆子育て家族のアウトドア講座 第38回◆
「アウトドアウェアの手入れ/素材別に確認して」
アウトドアウェアには、天然素材から化学繊維の新素材まで、様々な素材が使用されています。その手入れ方法を素材別にご紹介します。
■ナイロン
ナイロン素材のものは、さらに二つの種類に分けられます。ひとつは、ナイロンの生地をそのまま使っているものと、撥水加工や透湿加工などの二次加工を施してあるものです。前者は、比較的洗濯にも強く、普通に洗濯機で洗えばOKですが、ナイロンは紫外線に弱いので陰干ししてください。干す時は皺をとってから干しましょう。早く乾いて欲しいからといって直射日光は厳禁です。後者は、マウンテンパーカやアルパインジャケットなどに使用されている防水透湿素材等を指しますが、まず、購入した時に防水透湿素材専用の防水スプレーをかける。これによって、機能の劣化を防ぐとともに汚れも防ぐことができます。(これにより、結果的に素材の劣化も未然に防止しています)。
汚れがひどい場合は、中性洗剤で洗うことも可能ですが、基本的には水洗いでOKです。防水機能が低下したらアイロンをかけることで機能が復活するものもありますので、購入した時のタグは保管しておきましょう。デリケートな素材なので押し洗いと脱水がポイント。仕上げは撥水スプレーをふっておきましょう。特にゴアテックスを使用したものは、粉石鹸を使用すると目詰まりで本来の機能を損なう可能性があるので注意です。専用の洗剤も各種アウトドアメーカーから出ているので、それらを素材に合わせて使えば安心です。
手入れやコストを考えるとガンガン遊んでガンガン洗える加工なしのナイロン素材のウェアが、子どもたちにはマッチするのではないでしょうか?。
■フリース
いまやほぼ100%の方が持っているフリースウェア。毛玉、糸屑が付きやすいので、単体で洗濯しましょう。他の衣類と一緒に洗う場合には、洗濯ネットに入れて洗うのが賢明です。洗濯、乾燥後は、まめなブラッシングと静電気防止スプレーで痛みを抑えられます。
洗濯するときはファスナーは閉じて単体で洗うほうがいいです。洗濯時にファスナーを開けたままにすると、ファスナーを傷めますので閉めておきましょう。ナイロン同様、フリースに多く使われているポリエステル素材も紫外線には弱いので、日陰に干しましょう。乾きは早いのですぐに着れます。
■ダウン
洗わない!のが最もダウンを維持するのにいい方法なので、洗濯はできれば一年に一回以内にしたいものです。ダウンの洗濯は難しいので、クリーニング店に出すのが最も安全ですが、お金がかかります(通常、数千円)。自宅で洗う場合には、まずタグなどに表示されている取り扱い方法を良く読んでから、ダウン専用の洗剤で洗います(専用洗剤はアウトドアショップで購入できます)。ダウンウェアは大きな容器で一気に洗うのがコツなので、お風呂のバスタブで押し洗いするのが一番です。すすぎはたっぷり水を使って洗剤が残らないようにします。洗剤が残るとダウン同志がくっついて硬くなってしまいます。干す時は、大きなバスタオルを用意します。そのバスタオルに包んで、軽く押して水気をとります。干す時はハンガーに吊るすとダウンが下に下がってしまうので、平らな場所に置いて干しましょう。寝袋などの場合は形を整えて干すようにします。ダウンは、その膨らみを復元する力が大きいのが特徴ですが、保管の時はできる限りつぶさないようにしてふっくらと保管できるとふくらみ(ロフト)が長年保持できます。
■ウール
他の素材と異なり、繊維の油分が抜けないように洗濯しないといけません。タグの洗濯方法表示を確認し、30℃以下のぬるま湯に中性洗剤を溶かし、大きな容器で30−40回押し洗いをします。すすぎも穏やかに行います。もみ洗いは厳禁です。脱水は、絞るのは厳禁で、ネットに入れて洗濯機で短い時間で行います。干す時は、形を整えて置き干しが理想です。しかし、ウールのクリーニングはけっこう安価なので、クリーニングに出した方が安心かもしれません。
■ジッパー
素材ではなくパーツですが、長期間使用しないと滑りが悪くなるので、そんな場合はロウソクのロウをジッパーに擦りながら塗りこんでいくと滑りが良くなります。
■オーガニックコットン
オーガニックコットンは、できるだけ加工処理をせず、天然の味わい(綿本来の性質)を残すように配慮され製造されていますので、そのための注意が必要です。まずは、柔軟剤、塩素漂白剤はコットンの吸収力を悪くしてしまいますので使用しないでください。また、高温乾燥機も厳禁です。