2005/12/1
◆子育て家族のアウトドア講座 第43回◆
「シュラフの基礎知識」
寝袋のことを英語で言うと“Sleeping Bag(スリーピングバッグ)”、ドイツ語で言うと“Schlaf(シュラフ)”と言いますが、一般的にはシュラフと呼んでいる人が多いように思います。キャンプにはなくてはならないイクイップメントのひとつです。
シュラフには、その形状で二つのタイプに分けられます。ひとつはマミー型(人形型)と呼ばれるもので人間の身体にフィットするような形状のもので、もうひとつのタイプはレクタングラー型(封筒型)と呼ばれる二枚の布団を縫い合わせたような形状のものです。
マミー型は、コンパクトで肩口から冷気が入り込みにくく暖かいのが特徴で、レクタングラー型は、ゆったりと眠れ、二枚を取り外せば布団のように身体にかけて使えるのが特徴です。
最近のモデルは、ふたつのシュラフをジッパーで結合させて二人もしくは子どもと三人で一緒に眠れるようなタイプのものも増えています。この場合ゆったりしたサイズのレクタングラー型がおすすめです。
家族でのキャンプの場合、子どもが小さいうちは一緒に寝ることを考えレクタングラー型を、子どもが大きくなってからは一人ずつ寝るためにマミー型というように変えるのがよいのではないかと思います。実際に我が家でも子ども大きくなるにつれマミー型の活躍が多くなりました。特に男のコはその傾向が強いのではないでしょうか?
シュラフの中綿はふたつに分けられます。ひとつは保温性の高い化学繊維で、もうひとつはより保温性の高いダウン(水鳥の羽毛)です。当然のことながらダウンの方が高価ですが耐久性(潰れていても膨らみを復元する力が長持ちする)があり軽くて嵩張りませんが、最初から揃える必要はないと思います。子どもたちの成長に合わせて、化学繊維のシュラフから徐々に買い替えていけばよいでしょう。化学繊維にはいくつか種類があり、その性能によっても価格が異なりますが、過酷なキャンプをしない家族でのキャンプの場合には、ひとつ1万円前後のシュラフで十分です。
シュラフの外側を覆っている布をシェルと呼びます。通常、ナイロンまたはコットンが使用されていますが、ナイロンの方が軽くて嵩張らず保温性が高いです。ナイロンは汚れが付きにくい上、引き裂き強度も強いのが持ち味。肌触りはコットンにはかないませんが最近のナイロンは肌触りもかなりよくなってきていますので、是非アウトドアショップで、自分の目と肌で確かめてみてください。
シュラフだけでは寒い、と感じる場合には、シュラフの中に一枚布を入れます。インナーシーツと呼ばれる専用のものもありますが、フリースのブランケットなどをシュラフの中に入れるだけでずいぶん保温性が高まります。足元が寒い場合には、シュラフの足元をバックパックやトートバッグなどに入れてしまうという方法もあります。