2006/6/29
◆子育て家族のアウトドア講座 第54回◆
「まっすぐ歩いて、たくさん出会う」
普段目にする地図はどんな地図でしょう? いろんな出版社から出ているドライブ本とか、ドライブ目的の地図が多いのではないでしょうか? しかし、それらの地図には、その土地の自然の状態を示すシンボルはあまり記載されていません。そこでアウトドア遊びの時に使いたいのが、アウトドアショップで購入できる“国土地理院”の地図。日本のアウトドアの原点のひとつは登山ですが、この地図は古くから登山家に愛用されていますし、地面の傾斜やその土地がどのような場所なのか?といったことがわかるように記載されており、縮尺も1/50,000や1/25,000というように、かなり拡大されて地形が表現されているので、慣れてくれば地図を読むだけでその土地の様子がおおまかに理解できます。子供たちといっしょに、「このマークが果物畑だよ。」など地図に関する知識を一緒に勉強しなおすのもいいですね。
そんな地図が読めるようになるとアウトドア遊びもぐんと幅が広がります。キャンプガイドブックなどに載っていない自分だけのフィールドを見つけることもできるようになります。そんな地図の遊び方をご紹介します。まず、自分の身近な里山あたりの地図を近くのアウトドアショップで購入します。一枚300円程度のリーズナブルなものです。まずは、1/25,000のものを購入するといいでしょう。その地図を眺め、民家ではなく、草地や畑などのマークが書かれているエリアに鉛筆で4cmの直線を適当に引きます。そして、その地図を持って現地に出かけ、自分でひいた直線の通りに歩いてみるのです。その直線上には、道がない場合もありますが、川を渡ったり、あぜ道を歩いたり、草むらをかきわけたりして、できるだけその直線上を歩きます。そして、その間にどんな生物がいるのか、どんな植物が咲いていたか、面白い風景があったか、というように観察をします。1/25,000の地図では4cmが実際の1kmになりますので、1kmを歩きながら、自然や風景を観察することになるのですが、たった1kmでも実にさまざまなものと出会うことに気づくと思います。「なーんにも出会わなかった」という人は、感性が鈍っていますよ(笑)。観察したものは、地図上に書き込んでいくといいですね。
地図は、自分なりの情報を書き込んでこそ、より価値の高いものになりますし、いろんなところを歩いて、いろんなものを書き込んでいきましょう。