2006/8/24
◆子育て家族のアウトドア講座 第57回◆
「動物園に行こう」
自然破壊だの、コンクリートジャングルだのと騒いでは、身近な自然がなくなったと嘆く日本人。しかし、本当に自然が身近な場所から消えているのでしょうか?物理的に草地に近代的なビルが建設されれば自然が消えてしまった、となるかもしれませんが、草地があっても自然がそこにある、という感覚を感じられているのでしょうか?都心には計画的に公園が配置されています。そういうところでどれだけ自然を感じる力を発揮しているのでしょうか? 最近のお父さん、お母さんたちは、特に自然を感じる感性が鈍くなっている気がしています。
そういう時は、身近でいろんな生物を見て感性を蘇生させてみてはいかがでしょうか?
それに適した場所は、ご存知、動物園です。動物を見るのが嫌いな人はいないと思うのです。動物なんて見なくてもいい、と感性が鈍っている人はいると思いますが。
昨今、北海道の旭山動物園を筆頭に、動物の本来の生活スタイルを見せてくれる展示方法が日本中の動物園でトレンドになっています。アザラシが目の前の透明なパイプの中を泳いでいったり、ホッキョクグマを間近で見たりと工夫が凝らされています。夜行性動物の行動を観察できるよう、建物の中を真っ暗にして動物を展示しているところもあれば、夏休み企画として、夜間に動物園をオープンさせたり、と数年前では考えられなかった動物展示の手法が次々に展開され出していますので、子どもが生まれるまでの間、何年も動物園から遠ざかっていたお父さん、お母さんもきっと楽しめると思います。
動物園は、そこで飼育されている動物がいかに元住んでいた場所に近い環境を再現できるか?本来食べている食物と同じ栄養を摂取できるか?と動物学的観点から運営されていますので、動物そのものではなくて、飼育設備や与えられている餌を観察することで動物の生活環境が連想できます。そんなことをすることで、日頃自然と接した時に、自然環境から生物を感じたり、見つけ出したりする感性を蘇生させるのです。
また、もし、海外に家族で行くチャンスがあれば、現地の動物園を訪れてみてください。特に欧米は日本よりも動物の研究の歴史が長く、飼育技術も進んでいますので、より本来の生息地に近い飼育環境が整備されていますから。