2006/10/19
◆子育て家族のアウトドア講座 第61回◆
「ダッチオーヴンを使ってみよう」
1990年代半ばから、日本で普及し始めた魔法の鉄鍋“ダッチオーヴン”。最近、ようやくアウトドアライフマニア以外の人の口からもその名前が聞かれるようになりました。
日本の岩手県の南部鉄器のように鋳鉄で出来ていて、熱のまわりが均一で、蓋の密閉度が高く、その独特の形状ともあいまって、実に多くの種類の料理を作り出してくれるスグレモノです。特に鍋ごと焚き火に入れて、ワイルドに調理ができますし、周辺のツールなども含めてアウトドアシーンでかっこいい道具として、注目されてきました。当初はアメリカ製のものしかありませんでしたが、今では国内のアウトドアブランドも製造していますので、入手しやすくなっています。
さて、このダッチオーヴンはどんな料理ができるのでしょうか?
以下に調理法を列挙してみます。
【煮込む】
鍋ですので、まずはこの調理法です。少ない火力で熱が均一に回るため効率よく煮込むことができます。また、冷めにくいので火からおろした後の保温効果も持続します。ポトフやビーフストロガノフなどコトコト煮込みにおススメです。
【焼く】
蓋をして、蓋の上にも炭や熾き火を乗せてオーヴンとして中の食材を焼くことができます。スコーンやパンもキャンプ場で焼けます。我が家では、子どもたちにトッピングさせたピザを庭でよく焼いています。
【炒める】
鉄製のフライパンが美味しい炒めものを作るように、ダッチオーヴンをフライパン代わりに炒め物も美味しく仕上げます。焦げ付きにくく肉系のソテーも大得意です。
【蒸す】
密閉度の高い蓋をすると中の食材を蒸すことができます。チキンを丸ごと、野菜を丸ごと、エキスを逃がさないように蒸し上げます。
このようにダッチオーヴンひとつで様々な料理にチャレンジできますので、アウトドアシーンでの料理がワンパターンだな、と感じるファミリーにはおススメのイクイップメントです。もちろん、キャンプの時だけでなく、近くの公園や庭でも積極的に使いましょう。
ダッチオーヴン文化の歴史の長いアメリカでは、ダッチオーヴンを使って料理を作り競い合う料理コンテスト(もちろん屋外で開催される)も盛んに行われていますし、100年以上も代々受け継がれて愛用されているダッチオーヴンもあると聞きます。ぜひ、興味のある方は、いろんなレシピに挑戦してみてください。ダッチオーヴン愛好家の方が運営されているホームページも多く存在しますので、最初のうちはネット上でレシピを探してみるのもいいでしょう。
ただし、ダッチオーヴンは、材質が鉄なので、使った後も冷めにくく、ちょっと油断をして素手で触ってしまうと火傷をしてしまいます。錆びやすいため中華鍋のように常にオイルを塗った状態で保管しなければならず、匂いが気になることがありますので、取り扱いにはちょっとコツが必要な道具です。それをわきまえれば、アウトドアシーンを盛り上げてくれるグーなイクイップメントです。焚き火を扱ったり、火傷しやすい鉄鍋を扱うということで、皮の手袋を使用したり、器具を上手に使いこなしたり。料理の作法自体がアウトドアの要素をたくさん含んでおり、子どもと一緒にそれらを体験していくことで楽しさも一層増します。