2006/11/16
◆子育て家族のアウトドア講座 第63回◆
「コンパスの使い方」
自然の中に入ると方角がわからなくなってしまうことがあります。晴れている日であれば、太陽の位置でおおそよの方角はわかりますが、曇った日などはそうもいきません。
昨今は中高年登山ブームで初心者が安易な気持ちで自然の中に分け入り遭難する事故が後を絶ちません。そこで、自分が今どのあたりの場所に居て、どっちの方向に向かっていけばいいのか?というスキルを身につけておくことはとても大切なことですし、それは子どもの頃から身につけておきたいものです。
そこで、コンパスの使い方についてご紹介したいと思います。
はっきりとわかっているルート(山道等)を歩いている時でも、今、自分たちが現在どこにいて、目標地点まではどれくらいの距離があるのかということは、ただ地図を見ただけではわかりにくいものです。そんなときにコンパスを使えば、現在位置を割り出すことができます。
まずは、現在いる場所から周囲を眺めて、ランドマーク(目印/目標)となるような地形を探します。例えば尖った山とか、一本だけ目立った大きな木などです。その目標に対しコンパスで方位を割り出します。この時、コンパスの示す北(磁北)の方角と地図上の北(真北)は5−10°の間でズレ(偏差)がありますので、それを加減することに気をつけましょう。この偏差値は地図の余白に記されています。さらにもう二カ所目標を定め、コンパスを使ってその方位を割り出します。それぞれのポイントから今割り出した方位と逆に線を引けば、その交点が現在位置となるわけです。
自分の歩いているルートがはっきりわかっている時は、磁北偏差を気にしなくても、だいたいの方位を割り出すだけで、ルート上の地点を知ることができます。磁北偏差を気にしなければならないのは、ルートを見失い、進むべき方向が微妙な角度で分岐しているような場合です。
余談ですが、キャンプ場の環境を把握するような場合にも、コンパスはたいへん重宝します。例えば、テントの出入り口を朝日の登る方向に向けたいとか、谷間のキャンプ場で、どのあたりのサイトが日当たりがいいか見当をつけるような場合です。ぜひ、ご家族で地図とコンパスを使って、今いる場所がどのあたりで、方角がどっちだ、などとやってみてください。