2006/12/14
◆子育て家族のアウトドア講座 第64回◆
「ダウンに勝るものはナシ」
サーマロフト、シンサレート、ダクロン、カプセルII、サーマスタット、マイクロロフトなどなど、ダウンに代わる保温のための化学繊維が数多く開発されてきました。しかし、速乾性があるとか、メンテナンス性が高いとか、水気を含んでも潰れないとか、化学繊維ならではの高性能はあるにせよ、ダウンを凌ぐ暖かさを発揮する保温材料はないようです。ダウンは、ダウンボールと呼ばれる水鳥の身体に近い部分に生えている一部の羽毛だけを指します(通常、私たちが羽毛と呼んでいるのは、いわゆる鳥の羽でフェザーと言います)。これは水鳥一羽から少ししか採れませんが、軽い、暖かい、潰すととても小さくなる、潰れていても自然に膨らんでくれる(乾燥した状態で)などの特徴を持っています。やはりなんといっても、化学繊維のものと決定的に違うのはその暖かさです。
これまでいろんなアウトドアメーカーや繊維メーカーが水鳥を殺さずに暖かさを得るために様々な素材の開発に力を注いできました。しかし、極寒のアウトドアフィールドでのトライアルの結果、保温性についてはやはりダウンにはかなわない、ということがわかってきています。その証拠に自然を保護するための取り組みを行ってきて、これまでダウンを使ってこなかったメーカーまでもここ数年ついにダウンの採用に踏み切ったからです。
ダウンは、水鳥から採取しなければならないという点と併せて、もうひとつ欠点があります。それはメンテナンス性が悪いということです。普通に洗濯をしてしまうと潰れたままになって膨らまなくなってしまうことがある、という点です。そこでダウンは専用の洗剤で洗ったり、あるいはクリーニングに出さないのです。ダウン専用の洗剤はどこでも売っているわけではありませんし、クリーニングも数千円もかかってしまいます。しかし、高い保温性を持ち、昨今ずいぶん安価になってきたダウンを使ったウェアは魅力的ですので、もし入手された時には、極力洗わないで済むように丁寧に使って長く愛用して欲しいものです。
子どもたちは、何枚も服を重ね着するのを好みません、そんな時、ダウンジャケットであれば、下着とシャツの上に羽織るだけでかなりの低温環境でも暖かさをキープできますし、寒い季節のキャンプではダウンジャケットを着込んでシュラフ(寝袋)に潜り込むのも暖かさをキープするひとつの手段ですので、子どもたちのためにも用意してあげたいアイテムです。