2008/6/19
◆子育て家族のアウトドア講座 第98回◆
「火を使う時の注意事項」
キャンプでは、焚き火はもちろんのこと、各種アウトドアグッズも含めて火を使うことが多いですし、それも日常と違った楽しみでもあったりします。また、子どもたちも火を扱うことで、少し大人になった気分にもなりますし、ワクワクして、ついつい気が緩んでしまうものです。しかし、火は火傷の元でもありますので、事前にどんなシーンでアクシデントが起こるか、ということを把握しておくことが必要です。
【焚き火、そして、焚き火台】
地面にダメージを与えずに焚き火が楽しめるということですっかり市民権を得た「焚き火台」、もっともキャンプで火を扱う楽しさを実感させてくれる道具ですが、火を扱うことがメインの道具だけにアクシデントが多いのも事実です。熾き火になって炎の灯りが見えなくても高温なので、十分冷却するまでは決して素手では触らず、皮製手袋などで最低限触るようにします。また、暗闇で足元にあったのを気づかず蹴飛ばしたりすることもあるので、使い終わったらキャンプサイトの動線から外れた場所において冷却するようにします。
【決してしてはいけないこと】
昔から言われていて、今も後を絶たないキャンプでの火の事故例がいくつかあります。焚き火の火を大きくしようと、焚き火にガソリンや灯油を振りかけて火が大きく燃え上がったり、手や衣服についたガソリンに火が移り、火傷を負ってしまう、ということが起こっています。また、空になったガスカートリッジのボンベを焚き火の中に放り込んで爆発して怪我をした、ということも起こっています。そんな行為、バカげていると思われているかもしれませんが、事実、そんな行為は後を絶たないのです。
【テントの中では火を使わない】
テントの中では、非常時以外は火を使わないようにします。テントの中で火を使うランタンやコンロを使用した場合、それらの器具が転倒して、テントの生地に燃え移って大火傷の元になってしまいます。また、テント内で火を使うと狭い空間ですので、あっという間に酸素がなくなり、窒息死の危険性がありますので、換気をよくする、とかいう対策ではなく、使わないようにしましょう。特に小さな子どもがいる場合は、どんなアクシデントが起こるかわかりませんので、アクシデントの元となる器具はテント内に持ち込まないようにしたいものです。従って、ランタンなどの照明は電池式を使用するようにします。
【火を使う場所】
風がある時に焚き火をすると、火の粉が飛んでしまいます。その火の粉でお隣のテントやタープに穴が空いてしまったり、草むらに火が燃え移らないよう周囲が開けた場所で焚き火をするようにし、強風になったらすぐ火を消すようにします。焚き火をする場合には、いつでも消火できるように近くに水を置いておきたいものです。
【消火について】
結構悩むのが、焚き火の消し方です。水をかけてしまうと周囲も汚れてしまいますし、翌朝に火をおこせなくなってしまいますので、焚き火は、夕食後早い時間に楽しむとか、焚き火のあまり火を大きくせずに、小さな焚き火で楽しんで就寝の時間までに自然と消える規模で楽しむとよいと思います。時間がなくて早く消火したい時は、別途用意した鉄板に移してから水をかけるとよいです。ただし、水で消火した燃えかすは、土に埋めるか燃えるごみとして持ち帰るようにします。