自転車
最近都市部では自転車が一つの流行です。街中を颯爽と駆け抜けていきますね。そんな自転車、いつから始めたらいいのでしょうか?
自転車に乗るということは大きくいうと3つの段階に分かれます。
- 親御さんの自転車の補助シートに座る段階
- 補助輪がついている段階
- 補助輪無しの状態で乗る段階
最初は親御さんの前や後ろに乗り、風を受けて、自転車やある程度のスピード感に対して恐怖心や戸惑いを無くすことは大切ですね。そんな原体験が自転車に乗ってみたいという、一つの思いにつながります。ただ子どもを乗せる場合、意外にバランスがとりにくかったり、体力が必要だったりします。子どもには、怪我がないようにヘルメットを準備しておくことなども大切なことです。これは0歳のお座りがしっかりした頃から、スタートです!
補助輪つきの自転車に乗る場合は、その前提として三輪車などでしっかりと自分の足を動かすことができる、そして足以外に手を動かすことができることが大切です。これは協調運動といって、手や足、右手と左手など、それぞれに違う運動を行う能力です。これができないとブレーキをかけることができず危険です。
そしてバランス感覚も自転車には大切になります。それを鍛える遊びをひとつ紹介しましよう。子どもを背中に乗せて遊ぶ「お馬さん」です。最初は怖くて、子どもは自分の胸を親の背中にべったりとくっつけて乗ります。腹ばいに寝転がった乗り方です。そして何度も遊んでいる中で、座った姿勢で親御さんの背中に乗れるようになります。まさに馬乗りです。この姿勢は自転車に乗る姿です。そう考えると3歳から4歳ぐらいが、補助輪つき自転車の適齢期でしょう。
そしていよいよ補助輪を外して乗るのですが、これは協調運動とバランス感覚と、そして倒れないスピードを出さなければならず、ペダルを踏み込む力が欠かせません。4歳から5歳程度の成長が必要ですね。目安は縄跳びが飛べるようになる、あるいは竹馬ができるようになるといった、他の遊びに対する育ちもしっかりできていることが大切です。
自転車に乗ることだけで、子どもが成長できるのではありません。反対にいろいろな遊びや体験がこども達を大きく成長させて、その中で自転車に乗れるようになるということにつながるのです。
子育ての一つの極意!
子どもの育ちは、なにか特定の部分や能力だけが発達するのではなく、遊びを通じてすべての能力が全般的に成長するのです。だから子どもにとって役に立たない経験はありません!
text by 神戸常盤大学教育学部こども教育学科 准教授 小崎 恭弘